しっかりと相手の目を見て挨拶をする人はとても印象が良く見えますが、
自分自身の印象を良くすることを目的とした挨拶は、挨拶の本質とはかけ離れてしまいます。
あいさつって大切なの?
挨拶は「自分が相手に対して心を開いていますよ」と示す簡単な表現なんだ。手間もかからないし、挨拶をされて嫌な気分になる人はいないんだ。
そうなんだ!僕にもできそう!
あいさつが大切な3つの理由について
普段何げなく行っている挨拶ですが、挨拶の大切さについてこれまで真剣に考えたことはありませんでした。
挨拶に始まり、挨拶に終わる。人とコミュニケーションを取るにあたって必要不可欠なものが挨拶ですが、今回は挨拶が大切な4つの理由について書いてみたいと思います。
挨拶はどうして大切なの?
ちょっと硬い話になりますが、「挨拶」という文字の本来の意味は、
- お互いにそばに寄り添って、押し合うこと
とされています。はるか昔には、修行僧が行き交う人と問答をして相手の悟りの程度を知ることを「挨拶」と呼んでいたそうです。
人と接するとき、特に見ず知らずの人と接するときには、まずは寄り添い押し合って自分自身の心が相手に向いていることを示す必要があります。
お互いの心が開いてこそ、心のふれあいができるということです。
まずは心を開いて、自分から挨拶をすることが大事なんだね!
その通り!自分から挨拶することは決して恥ずかしいことではないんだ。
挨拶の語源
挨拶にはたくさんの種類がありますが、身近な挨拶で日常的に使っているものにも「語源」があります。語源をしっかり理解して挨拶に臨むと、より一層の気持ちが伝わります。
代表的な挨拶の語源では、
- おはようございます・・・今日の朝、もういらっしゃるのですね。早うございます。
- こんにちは・・・今日(こんにち)は、ご機嫌はいかがですか?
- さようなら・・・(相手に都合があり)左様なら、今日は帰らせていただきます
何げなく使っている挨拶でも語源を理解して使うと、その後の会話にも繋がりやすくなりそうです。
その場の雰囲気が良くなる
挨拶をしっかり行うことによって、
- 「私はあなたのことを受け入れています」
- 「私はあなたの存在を認めています」
と示すことになり、その後の会話のきっかけにもなります。自分の心を開いた状態であると伝えることで、たくさんのコミュニケーションが生まれ、結果として自分自身にも楽しいことが降りかかってくるというわけですね。
挨拶をしない人にはなんか話しかけにくいなぁ・・・
相手の心を開かせるのではなく、まずは自分の心が開いていることを示すのが、良いコミュニケーションを取るための第一歩だよ。
感謝の気持ちを伝えるための手段となる
おはよう、こんにちは、こんばんは、だけがあいさつではありません。
- ありがとう
- お世話になっております
- お疲れ様です
このような言葉も実はあいさつの種類。例えば「ありがとう」の本来の意味は「有ることが難しい」です。
- それが今ここにあるのはあなたのおかげ
という気持ちを伝えるためにも「ありがとう」という言葉を積極的に使用してみましょう。周囲に対して常に感謝の気持ちをもって過ごすと、巡りめぐって自分にも良いことが跳ね返ってきます。
少しでも感謝の気持ちが芽生えたら「ありがとう」って言うことにするよ!
素晴らしい!親切にしてもらったときは「すいません」じゃなく素直に「ありがとう」と言ったほうがお互いに気分が良くなるよ!
出会えたことに対して感謝できるメッセージになる
「今目の前にいる人とはもう2度と会うことがない」ことを理解せずに過ごしている人が多いかもしれません。
- コンビニの店員さん
- 荷物の配達員の方
- レストランの店員さん
近所にあるお店だったら何度か顔を合わせる機会もあるかもしれませんが、それでもその機会はわずかです。
特に旅先で出会った人などは2度と会うことがないことがほとんど。
人生は一期一会と言われていますが、もう2度と会うことがない人にこそ、積極的に「挨拶」をしたいところです。
話をするというところまでいかなくても、レジでの会計時などに、
「ごちそうさま。おいしかった、ありがとう」
と言うのはとても簡単です。「どうせ一期一会なんだから」ではなく「一期一会だからこそ」という気持ちを持って積極的に挨拶をしていきたいところです。
旅の恥は掻き捨てと言いますが、毎日をちょっとした「旅」と考えれば、どんな人にも気軽に挨拶ができるようになるかもしれません。
毎日が「旅」なんだね
もう2度と会わないと分かっているなら別れの挨拶もきちんとしないとね
感じの良い挨拶の仕方
ただ言葉を発するのでなく、自分が心を開いていることをしっかりと伝えることが良い挨拶をするためのポイントです。
そのためには、
- 笑顔で挨拶する
- 元気よく挨拶する
- 相手の目を見て挨拶する
- 自分から挨拶する
- 簡単な会釈も付け加える
ことが大切です。
笑顔で挨拶する
暗い表情で挨拶をされるより、明るい表情でされたほうが気持ちが良いものです。無理に作り笑いをしようとせず、あくまでもナチュラルに。例えば朝の社内では、
(今日もみんなで集まれた、仕事頑張りましょう!)
という気持ちを持って挨拶をすると、自然な笑顔で挨拶ができます。
元気よく挨拶する
ボソボソとつぶやくような挨拶では、自分の心が開いていることを明確に示すことができません。しっかり挨拶を伝えたいという気持ちで、いつもより少しだけ大きな声で言ってみるのが良いでしょう。
相手の目を見て挨拶する
相手の目をしっかりと見て挨拶するととても感じの良い印象を与えることができます。挨拶は決してやましいものではないので、堂々と相手の目を見ながらおこないたいものですが、
「近距離では目を見て話せない」というシャイな方もいるかもしれません。
そんな人には相手の目より少し下(鼻や口元)に目線を向けることを意識すると、楽にできると思います。
目も合わせずに挨拶する人を見ると、どこかそっけない印象を受けます。
目は心の表情を表すと言うように、相手の目を見ることはお互いの心を通わせるための手段なので、一瞬でもいいので自信を持って相手の目を見ながら挨拶できるように訓練しましょう。
自分から挨拶をする
自分から挨拶をすることは、冒頭で述べたように挨拶の基本です。自分から率先して挨拶をすることによって、その後のコミュニケーションが円滑になります。
よくありがちな事ですが、相手より立場が上だからと言って、挨拶されるのを待ってから挨拶をするという光景を見かけます。
声をかけないと返してくれない上司と、自ら率先して挨拶してくれる上司、尊敬できるのはやはり後者ですね。
簡単な会釈も付け加える
礼に始まり礼に終わる。感じの良い挨拶をするには、言葉だけでなくお辞儀も大切です。
本来のお辞儀は両手を揃え頭をしっかりと下げることが基本ですが、固いお辞儀がふさわしくない場面では簡単な会釈だけでも印象が良くなります。
感じの悪いあいさつについて
感じの良い挨拶がある一方で、聞いていて心地よくない挨拶もあります。
せっかく挨拶をするのであればお互いに気持ちの良い挨拶をしたいものです。
では感じの悪い挨拶はどんな挨拶でしょうか。
声が小さすぎる挨拶
「ぉはよぅござぃますぅ・↓」
ぼそぼそとこもったような声で発せられる挨拶です。本人に覇気を感じられないだけでなく、周囲も暗くしてしまいます。
視線を合わせない挨拶
照れ臭さのあまり目を見れない挨拶ではなく、全く相手のほうを見ようとしない挨拶です。
挨拶をされてもパソコンの画面を見ながら「おはようございまーす」と返すだけで、相手を見ずに心ここにあらずといった様子で挨拶するという光景を目にします。
心を相手に向けていないということが伝わり、良い印象を持たれません。
仕事に集中する気持ちもわかりますが、相手の目を見るまではしなくとも、視線や体の向きを相手に向けることをしましょう。
言葉を省略しての挨拶
- おざまーす
- おーす
- おつかれーっす
など、省略系の挨拶をよく耳にします。仲の良い友人に挨拶するときならまだしも、社会人として職場でこのような挨拶をするのはNG。照れ隠しのためにはっきりと言わない人もいるようですが、聞いていて不快になる人もいるのでここはしっかりした言葉で挨拶をしたいところです。
そっけない挨拶をされたら?
こちらからの挨拶に対して、相手から「そっけない挨拶」を返されることもあります。
そっけない挨拶が返ってきたからといって、
- もしかして嫌われてるのかな?
と考えてしまうのは早計です。そもそも挨拶すること自体恥ずかしいと思っていたり、体調が悪かったり、手が離せない仕事をしていたりしてまともに挨拶が返せない状況であることもあります。
そもそもこちらから挨拶することは、相手に同じように快く挨拶を返してもらうことが目的ではなく、こちらが相手に対して心を開いていることを示すことが目的です。
相手の反応は気にしても気にしすぎることはありません。「自分が挨拶をした」ということに価値があります。
挨拶は相手に聞こえるように
挨拶は「言う」ことではなく「伝わる」ことが大切です。そのためには相手にしっかりと聞こえるような声量で挨拶をすることが大事です。
挨拶をした後、相手から返答がない場合はこちらの声が聞こえていない、声が小さすぎるという可能性があります。
さいごに
今回は挨拶が大切な理由について説明しました。僕自身もこれまで挨拶の重要性について真剣に考えていませんでしたが、挨拶をしっかり行ってからは1日が気分良く過ごせるようになりました。