近年社会問題になりつつある、「煽り(あおり)運転」。車を走らせていると、煽り運転を日常的に見かけます。
頻度で言うと、1日に1回以上は必ず見かけますね。特に多いのが朝の通勤時間帯。会社に遅れまいと急ぐ人が多いのでしょうが、それにしても、
心のゆとりが無さすぎです(苦笑)
今回は、無事故無違反歴23年でほぼ毎日に車に乗っている僕が、よく見かけている「あおり運転の種類、原因、心理、そして煽られた時の正しい対策」についてお伝えします。
- 煽り運転にはどんな種類、原因があるか知りたい
- 煽る人の心理を知りたい
- 煽り運転の対策を知りたい
煽り(あおり)運転とは?
車を運転していると、やたらと見かける「煽り運転」。
海外では「road-rage」「tail-gating」などと言われていて、日本同様に問題視されていますが、
調べてみたところ、日本は海外に比べてまだまだ煽り運転についての罰則が甘いようです。
例えばイギリスの場合、煽り運転を行うと、
- 2年以下の拘禁刑または無制限の罰金
になるようで、厳罰化が徹底されていますが、日本ではまだまだ煽り運転についての法整備が整っていないのが現状のようです。
煽り運転にはどんな種類がある?
車間距離保持義務違反
まず最も多い煽り運転の種類が、前の車に対して必要以上に車間距離を詰めて運転する行為。
正式には「車間距離保持義務違反」と呼ばれているものです。
前の車がちょっとブレーキを踏んでしまえば追突してしまいそうなくらい、車間距離を詰めて煽っている車を見かけます。
前の車が低速で走っている時、または前の車に対して嫌がらせをする目的でおこなわれていることがほとんどですね。
ただ、よほど急いでいるのか、割とスピードを出している車に対しても必要以上に車間距離を詰めている車も見かけます。
悪意があってやっているのか、それとももともと車間距離を十分に保たないタイプの人なのかは知る術はありませんが、
どちらにしても十分な車間距離を取らないのは非常に危険な行為です。
急ブレーキ禁止違反
走行中に理由もなく急ブレーキをかけて、後続車に対し嫌がらせをする行為です。
見ている限り、完全に悪意があっておこなわれていることがほとんどですね。何度も繰り返し急ブレーキを踏んで、後続車に嫌がらせをしているという光景を見かけたこともあります。
急ブレーキは危険を回避するときのみ使用が許可されていて、それ以外の不必要な急ブレーキは罰則の対象となっています。
煽り運転をする人の心理は?
車を運転していると、煽り運転の発端となるストーリーを目撃することも多いのですが、
その中でもっともよく見る光景が、
「急な割り込み」に対する仕返しで煽るという行為。
目の前での急な割り込みや車線変更はとても危険なため、割り込んだ側に非があるのですが、その車に対して、
「一矢報いてやろう」
という心理で煽り運転を始める車を頻繁に見かけます。
前の車に対し必要以上に車間距離を詰めて煽ったり、今度は逆に自分が相手の車の前に急に割り込んだりと、仕返しの方法はいろいろ見ます。
煽り運転は「仕返し」が目的になっていることが多い
煽り運転の発端は「自分が危険な目にあったから仕返しをする」ということが多いです。
特に片側2~3車線の道路を走っていると、些細な事が発端となりバトルを繰り広げている車が目に付きます(苦笑)。
煽られている側も「急ブレーキ」を踏んで反撃していることもありますが、
周りの車からすると、とても迷惑で危険な行為です。
ちょっと間違えば全く関係のない車や歩行者を巻き込むことにもなりかねません。
煽り運転はなぜ起こる?原因は?
煽り運転が起こる原因はさまざまです。危険な運転への仕返しで起こったり、些細なことや勘違いが原因で起こることもあります。今回は僕が運転中に頻繁に目撃する煽り運転の発端をご紹介。
ブレーキの多用により煽り運転を誘発
CがBに対して煽り運転を行っていますが、Cが煽り運転をした理由はBの「ブレーキの多用」。安全運転をするBにとって、Aが少しでもブレーキを踏むと、追突を恐れるあまり車間距離が十分に保たれているにもかかわらず、すぐにブレーキを踏みます。
Cから見て、Aがブレーキを踏んでいるかどうかは分かりませんが、AとBの間には十分な車間距離が保たれていることは分かります。
にもかかわらずBが頻繁にブレーキを踏むので、Cは「自分に対して嫌がらせをしているのか!?」と考え、Cの煽り運転が始まってしまいます。
急な車線変更
「急」と捉え方が人それぞれなところがやっかいなポイントです。Aは「Bとの距離をしっかりとって車線変更をした」と思っていても、Bにとっては「こんな至近距離で車線変更しやがって!」と、煽り運転で仕返しする光景を目にします。
車線変更は余裕を持って、必要なときだけ行うようにしたいところです。
よく見かけるのが、片側2車線の道路で、自分が走っている車線の車が1~2台多いだけで、左へ右へ、右へ左へ繰り返し車線変更をする車。あの行為も周囲の迷惑を買っているようで、煽り運転の原因となることが多いですね。
譲られた後のお礼がない
コンビニの駐車場や側道から本線に入る際、譲ってもらった場合には「会釈」や「サンキューハザード」などで後続車にお礼の気持ちを伝えるのが一般的になっているように思います。
しかし、会釈やハザードを付けることによって注意が散漫になり危険が増すようでは本末転倒。運転に集中してほしいものではありますが、お礼がなかったことでBが「せっかく譲ってやったのに、お礼もないのか!?」とAを煽ることがあります。
逆にBがAに対して道を譲らなかったことにAが腹を立て、Bの後ろに入ったAがBを煽りはじめるということも目にします。
煽り運転の対策は?
自分が煽り運転をするなんてことはもってのほかですが、車を運転する以上、煽り運転の被害を受けるということは十分に考えられます。
こういう僕も煽り運転の被害を何度か経験したことがありますが、そのときに大切なのが「冷静さを保つこと」です。
同じ土俵に上がらない
煽られた時には、まずは仏のように冷静になることが大事です。
「腹が立つから仕返ししてやろう」
と絶対に思わず、冷静になって安全にその場をやり過ごすことが最善の対処法です。
仮に仕返しをしたとしても、相手の煽り運転がさらにヒートアップすることがほとんどです。
煽られたときに急ブレーキで仕返しするのも言語道断です。不必要な急ブレーキによって追突事故が起こった場合は「100:0」の過失割合にならないことがほとんどです。
高速道路の場合には過失割合が「50:50」になることさえあります。
煽られたら道を譲るのが基本
自分自身に非がなく、後続車に煽られているときは、
後続車が急いでいるものだと考えて、さっさと道を譲ってしまいましょう。
片側2車線の道路であれば、追い越し車線から走行車線へ車線変更して譲り、片側1車線の道路であれば、安全に追い越しができそうな直線道路の路肩に停止して追い越してもらうなどして、その場をやり過ごすのが最もスマートです。
追い越される時に「どんな人なんだろうか」と相手の車の運転手を見るなどの行為もトラブルのもとになりますので、見ないようにした方が良いですね。
見ても何の得にもなりませんので(笑)。
もしもトラブルに発展したら?
煽り運転の末、相手が車から降りてこちらに向かってくる、ということもありえます。
そんな時も「同じ土俵に上がらない」ことが大切です。ドアを完全にロックし、窓ガラスを閉めてやり過ごしましょう。
自分の言い分を伝えるために話し合いに応じる必要はありません。こちらが悪くなくても謝ってしまうか、または完全に「無視」で大丈夫です。
話し合いによってさらなるトラブルに発展する可能性もありますし、お互いの主張を言い合ったところで何の解決にもなりません。
その場をやり過ごしてさっさと目的地へ向かいましょう。
身の危険を感じたら?
こちらが悪くないとしても、さっさと謝ってやり過ごすのも得策。
- 謝ったら負け
- 悪くないのに謝る必要はない
と思いがちですが、謝ったほうが「早い」からです。道路上で長く停止していることは自分自身の身の危険も増すので、一刻も早く事態を収拾することが最終的には「勝ち」なのです。
それでも相手が怒り狂っていて収拾がつかないという場合には迷わず警察に電話を。一般道、高速道路ともに身の危険を感じた場合に電話するところは「警察」です。
煽り運転をしない方法は?
車を運転しているとどうしても納得できないことや、危険な運転に対し怒りを感じてしまうことももちろんあると思います。
しかしその怒りを煽り運転として転換してしまうと、自分の人生や大切な家族の人生が狂ってしまう可能性もあります。なによりも冷静さを保つことが最大のポイントです。
では実際に煽り運転をしてしまいそうになったときにはどうすれば良いのでしょう。
家族の写真を見る(家族を思い出す)
怒っているときに家族の写真や大切な人の写真を見ると気持ちが穏やかになることがあります。自分の感情を抑えるために、いつでも見られるところに置いておくのは有効です。
さいごに
今回は煽り運転の種類、原因、心理、煽られたときの対処法についてお伝えしました。
車を運転しているとどうしても腹の立つことが起こることがありますが、安全を守ることを最優先に考えると、取るべき行動が見えてきます。
ちなみにドラレコの装着は最近では当たり前になってきています。2020年6月30日から煽り運転に対しては一発で免停以上の罰則です。
問題は『こっちが煽ってないのに相手から「煽ってきた」と言われたとき』
そんなときもドラレコさえあれば無実の証明になります。
ちなみに僕が購入したドラレコはこちら。フロント、リアの2つのカメラでしっかりと事実を録画してくれます。
フロントカメラは鮮明で、走っている車のナンバーまで分かりますが、リアカメラの映像は粗く車のナンバーまで分かりませんが、もし煽られた場合でも、リアカメラは煽られた事実はしっかりと録画してくれます。