その会社に勤めているという証として、入社後に用意される社員証。
社員証は「もらえるもの」ではなく会社から「貸与されるもの」で、紛失するととても面倒なことになります。
これまでに社員証を紛失してしまった社員を何人か見てきましたが、相当なダメージを受けている様子が目に見えて分かりました。
今回は社員証を失くすとなぜ大変なのか、失くすとどうなるのかについて解説したいと思います。
社員証を紛失するとなぜ大変なの?
従業員であることの証明として、オフィスのビルの入館時に提示する場合や、訪問先で提示する場合、またはローンや審査の際に、社員証が必要とされることがあります。
社員証とはその会社の社員であることを示す重要な身分証明書で、紛失すると大変なことになります。
個人情報の漏洩のリスク
社員証には、
- 会社名
- 個人名
- 顔写真(ある場合)
が記載されています。つまり紛失した社員証を見つけた第三者には、
「ふむふむ、山田太郎(仮)っていう人は◯◯会社に勤めていて、こんな容姿の人物なんだな」
ということが分かってしまうわけです。家の近所で紛失し、近所付き合いのある人に拾われてしまえば、
「あの家の旦那さん、◯◯っていう会社に勤めてるらしいわよ」という噂がたちまち広まる可能性も。こういったことをどう受け止めるかは人それぞれですが、由々しき問題になる可能性もあります。
「名前と顔写真」がセットになればそれだけで重要な個人情報になります。悪意のある人の手に渡ってしまえばどんな使われ方をされるかわかりませんので、紛失だけは避けたいところです。
悪用されるリスク
冒頭で説明しましたが、社員証を入館時に提示して入館許可をもらう場合が多くあります。ここで危惧しなければならないのは「なりすまし」です。
社員証を拾った第三者が、社員になりすましオフィスに侵入してしまうことも考えられます。
社員証には顔写真があるとはいえ、入館時は厳密に本人確認をしていない場合もあります。
社会的評価が下がる
社員証にはもちろん「会社名」が分かりやすく記載されています。道端に社員証を落としてしまった場合、もちろん通行人に社員証が見られるわけです。
社員証を拾った人や見かけた人にとって、
「◯◯会社ってのは自分の持ち物を管理することもできない社員が働いているのか」
と思われてしまっても不思議ではありません。
社員証を失くすとクビになる?
実際にクビになる可能性は低い
顧客の情報を紛失した場合は会社をクビになる可能性がありますが、社員証紛失の場合にはクビになる可能性は低いと言えます。
なぜなら「会社に著しい損害を与えた」とまでは言えないからです。
もちろん各企業の雇用条件における「解雇」の項目に書かれているものよって変わってくるものではありますが、
よくある「会社に著しい損害を与え、社会的な信用を大きく失墜した場合」には該当しない、というのが一般的な見解です。
これまで3人の社員の社員証紛失事件を見てきましたが、実際にクビになった社員はいませんでした。
2回目、3回目の社員証紛失は危険
1度目の紛失では始末書を書く程度で許されたとしても、再三にわたって社員証を失くした場合や、過去に問題行動があった場合には、何らかの処分が下される可能性も出てきます。
解雇条件に「再三の注意、指導を行った場合でも本人の行動が改善されなかった場合」のようなものがあれば、それに該当する可能性もあります。
社員証を失くさないための対策について
「常に身につける」を意識する
社員証を失くさないようにするには社員証を「身につける」ことが重要です。
「首から外すのは自宅だけ」という心構えでいれば社員証を失くすリスクを大幅に減らすことができます。
一方で社員証を失くしやすいシチュエーションとしては、
- バッグ、リュックなどに入れる
- 取り外して自分のデスクに置く
- ランチタイムや飲み会時に取り外してテーブルに置く
などが挙げられます。特にバッグで保管する場合、荷物の出し入れの際に社員証を落としたり、盗難や置き忘れなどによってバッグごと失くしてしまう可能性もあります。
とにかく身につけていれば失くすことはないので、いかなる状況でも自宅以外では取り外さないように意識しましょう。
アクシデントによる紛失を防ぐための対策
ポケットを活用
通常の社員証は、首からぶら下げるストラップ式のものが一般的です。実はこのストラップ、強い力が働くと事故防止のためにあえて分断される仕組みになっているものが多いんですね。
逆にこの親切な仕組みのために、なんらかのタイミングでストラップが外れ、そのまま落下に気づかず…ということも考えられます。
ジャケット着用の場合などは、ストラップを首からかけた後、内ポケットに社員証を入れるという方法も効果的です。
またワイシャツの胸ポケットに社員証を入れてしまう方法もあります。見た目はちょっと…ですが紛失のリスクを下げるためなら背に腹は替えられません。
ケースを補強する
社員証を入れるケースは意外と簡素な作りになっていることがあります。
ファスナーが外れ、ケースから社員証が抜け落ちてしまうということも考えられます。ケース本体をセロテープや接着剤、輪ゴムで補強することや、堅牢性の高いケースに交換するなどの対策も有効です。
ちなみに僕はセロテープで社員証のケースを巻いて補強してます。実際にケースから中身を取り出すという機会はないので、ぐるぐる巻きにしてしまってます(苦笑)
リマインダーを利用する
リマインダーとは「思い起こさせるもの」という意味です。社員証が手元にあるかどうかを思い起こす頻度を高くすることによって、紛失のリスクを減らすことができます。
自身のパソコンやロッカーなどに「社員証確認」と書いた付箋や、社員証のことを思い起こさせるシールなどを貼るのも良いでしょう。
万が一社員証が手元にない場合でも、すぐにそのことに気付けることによって、見つかる可能性が高まります。
もし社員証を紛失してしまった時は?
すぐに上司に報告する
社員証を失くした場合は、真っ先に上司(会社)に「報告」をすることです。
いずれ出てくるだろうとすぐに報告せず、あげく見つからなかった時のペナルティはとても大きくなりますし、なによりも会社の所有物でもあるため報告は絶対です。
ちなみに僕が働いていた会社では社員証を家に置き忘れたことが会社に来てから分かった場合、家に帰って社員証を取ってこなくてはならない、というルールがありました。
他の社員に「ピッ」っとタッチしてもらえばドアは開くんですが、どうやら「失くしていないことを確認するため」に家に戻らされていたようです。
記憶を辿る
社員証がいつまであったのか、なくしたのはいつなのか、ということを時系列でたどります。
警察の落とし物センターに電話するだけでなく、交番に訪れて社員証が届けられていないどうかの確認もしましょう。
また、通った道をもう一度歩いてみることも大事です。地面に落ちている可能性にくわえ、通行人が道路脇に社員証を分かりやすくぶら下げてくれることもあります。
さいごに
今回は社員証の重要性や、紛失するとどうなるかについてお伝えしました。
紛失してしまうと色々と面倒なので、失くさない工夫をしてみましょう。