コールセンターでお客様のお名前を確認する際には、お客様の「名字」だけでなく、「名前」も必要です。その理由として、
- お客様の契約内容を確認するため
- 契約者の家族からの問い合わせの場合、家族のうちの誰と話しているのかはっきりさせるため
などが挙げられます。
では名字のみ申告いただいたお客様に対して、どのようにお名前をお伺いすればよいのでしょうか。
今回はお客様のお名前を聞くときの失礼のない聞き方についてお伝えします。
「下のお名前を教えてください」は失礼
「下の名前」は正式名称ではない
人物には名字(姓)と名前があるだけで、「下の名前」という言い方は存在しません。
名前は一つだけで上も下もありませんから、「下の名前」というのはとても違和感のある言葉です。また、本来敬うべきお客様に対して、
- 「上」
- 「下」
と形式化して伝えるのも印象が良くありません。名前の扱いというのは、言ってみれば人間、人格の扱いに通ずる重要な意味合いを持っています。蔑ろに扱ってはとても失礼です。
「下のお名前を教えてください」の言い換え方法について
相手の名前を聞きたいとき、正しい敬語での表現はそのままシンプルに、
- 「フルネームをお伺いしてもよろしいでしょうか?」
とするのが正解。更に印象が良いのは、
- 「恐れ入りますが、フルネームをお伺いしてもよろしいでしょうか?」
- 「名字は〇〇様ですね、恐れ入りますが、フルネームをお伺いしてもよろしいでしょうか?」
というように「クッション言葉」を使用すると、より一層柔らかで丁寧な聞き方になります。
こんな名前の聞き方もNG
相手の名前を聞くとき、「お名前頂戴できますか?」「お名前頂けますか?」と言っている方もごくまれに見られます。
名前というものはあげたりもらったりするものではないので、このような表現は避けましょう。
また、「お名前様教えて頂けますか」と言っている方もいますがこれも論外。「名前」という言葉に「様」は付きません。
相手の名前の漢字を聞くときは?
相手の名前を漢字でどう書くかを知りたい時に、
- お名前は漢字でどのように書きますか?
と聞くのは些か丁寧さに欠けてしまいます。この場合には、
- お名前の漢字表記も教えて頂けますか?
とするのが正しい聞き方です。
POINT
「フルネームをお伺いしてよろしいでしょうか」と、そのまま覚えましょう。