コールセンターでお客様との応対中に使ってはいけない11のNGワード(禁止用語)があります。
ネガティブワードとも言われていますが、NGワードを使用してしまうとお客様に不快な思いをさせてしまい、クレームに発展してしまう可能性があるので注意が必要です。
ここではコールセンターで使用してはいけない11のNGワードと、NGワードの言い換え方法についてお伝えします。
コールセンターで使ってはいけない11のNGワード
「下のお名前」
お客様のお名前を聞く際に、
「下のお名前を教えてください」
と聞いているオペレーターを見かけますが、「下のお名前」という言葉は失礼な表現であるため使用はNG。名前には上も下もありませんので、名前を聞く際には、
- 「フルネームをお伺いしてもよろしいでしょうか?」
と言い換えるようにしましょう。
「もしもし」
「もしもし」は仕事とプライベートの区切りがはっきりとできていない印象を与える言葉で、ビジネスやコールセンターでの使用はご法度。
電話中に相手の声が聞こえにくくなった場合には、
- 「〇〇様」
と呼びかけましょう。
「一応」
なんとも頼りない印象を与える言葉です。
- 一応、お電話した次第です
- 一応、ご連絡したほうが良いと思いまして・・・
「一応」が口癖の人は自分では気づいていないことがほとんどです。「嫌々やっているの?」と疑ってしまうくらい聞き苦しい言葉なので、使用は厳禁。
「一応やってみます」と言う人に任せる気にはなれません。「確認のため」「念のため」と言い換えるようにしましょう。
「できません」
「それはできません」
お客さまを真っ向から拒絶している印象を与えてしまうため、このような言葉は避けましょう。
どんなに無理難題を突きつけられても、
- 「お気持ちはお察し致します。申し訳ございませんが、そのようなことは弊社では致しかねます」
と、クッション言葉を用いて丁重にお断りしましょう。
また、代替案などがあれば提案することも大事です。
- 「そのようなことは致しかねますが、代わりに~でしたら可能ですが、いかがでしょうか」
このように、あくまで真っ向から否定するのではなく、お客様に寄り添う姿勢を示しましょう。
「絶対に」
「弊社の度重なるテストによって、耐久性が優れていることは証明されていますから、絶対に壊れることはございません」
コールセンターでは「絶対に」とお客様に断言することは避けましょう。断言をせず、事実のみを伝えることが重要です。
そうでないと、断言してしまったことにより後々お客様に大きな迷惑がかかったり、予期せぬクレームに発展してしまうことがあるからです。
仮に商品がどんなに耐久性に優れていても、絶対に壊れてしまうことがないとは言い切れません。断言をすることはせず、
- 「この商品は耐久性に優れており、弊社の何万回もの耐久テストをクリアしました」
などと、事実のみ伝えるようにしましょう。
「お電話をお回しします」
「担当部署へお電話を”お回し”します」という言い方はNG。
昔は電話交換手がダイヤルを回し、当該部署へ電話転送していたことが由来ですが、せっかく掛けて頂いた電話に対し”回す”という表現をしてしまっては、お客様に対し真摯に対応していない印象を与えてしまいます。
また「たらい回し」を想起させる言葉でもあるため、特にコールセンターでの使用は厳禁。
- 担当部署へお電話を”お繋ぎ”します
と伝えましょう。
「しょうがない」
これもまたお客様に使ってはいけないNGワードです。
「オタクの商品ツルツルしてるから落として壊れちゃったよ。返金してくれない?」
というようなクレームが入ったとします。お客様の落ち度であるため返品、返金はできませんが、こういったことを「しょうがない」と一蹴しては良くありません。
商品の特性のために破損してしまったということをお詫びし、返品はできない旨を伝えた上で、お客様の気持ちに寄り添うことが大事です。
「お世話さまです」
電話の相手が社名を名乗った後、日頃の感謝を込めて使う言葉ですが、本来は、
- 「お世話になっております」
が正解。「お世話さまです」は省略系のため、聞き手にとっては蔑ろに扱われたような印象を受けます。
上から目線な印象もあるため、日頃の付き合いのある会社に対して使用するのはNG。
「とんでもございません」
頻繁に耳にすることが増えてきているため、あまり違和感のない言葉に感じますが、文法的に誤りのあるNGワード。
「とんでもない」という言葉自体が1つの形容詞であるため、
- 「とんでもありません」
- 「とんでもございません」
のように変化することはありません。
「とんでもない」を丁寧語として伝えるなら、
- 「とんでもないです」
- 「とんでもないことでございます」
とするのが正解。聞き慣れない言葉ですが、分かる人には分かる一目置かれる言葉です。
「声が小さくて聞こえないのですが・・・」
お客様の声が聞き取りずらいときにこの言葉を使っているオペレーターを見かけますが、
聞き取りずらいことを全面的にお客様の責任にしているという失礼なNGワードです。
「声が小さいのですが」「聞こえないのですが」とは言わず、
- 「少々お電話が遠いようですが、こちらの声は聞こえていますか?」
と、お互いの声が聞き取れているか確認する言い方を心がけたいところです。
「~するかたち、~のほうへ」
- それでは請求書を再発行するかたちでよろしいでしょうか?
- 請求書はご自宅のほうへお送りしてよろしいでしょうか?
よく耳にするワードですね。この言葉を使用している本人に尋ねてみたことがあるのですが、「断言するよりもやんわりした印象になるから」というのが理由でした。
優しさから発せられるワードだとしても、聞いていて耳障りな人もいるので使用しないほうが良いでしょう。
- それでは請求書を再発行するということでよろしいでしょうか?
- 請求書はご自宅へお送りしてよろしいでしょうか?
さいごに
NGワードを使用してしまうと、悪気がないとしてもお客様の気分を害してしまうきっかけとなるので、ビジネス、コールセンターでは上記のNGワードは使用しないように注意しましょう。
続いてはお客様の話を聞く力を身に付ける方法について確認しましょう。