同情と憐憫。
似ているようで異なる意味をもっている言葉です。
同情と憐憫の意味の違いは?
「同情(どうじょう、sympathy)」・・・相手の心情に対して、その心情をともにすること。またはそのように試みること。特に相手の不幸や苦悩を自分の心情のように思いやること。
「憐憫(れんびん、pity)」・・・相手や他人をかわいそうに思うこと。あわれむこと。
どちらも相手や他人の身に起こった不幸や苦悩に対して発する感情ですが、
「同情」には、より身近な相手に対して自分自身の心情をともにするというニュアンスが含まれています。
- 甲子園に出場できなかった弟に同情する
- 恋人に別れを切り出された妹に同情する
いっぽう「憐憫」には、対岸の火事であるかのように自分とは一線を置いた他人、その他の生き物などについて、その相手が置かれている状況について「かわいそうに思う」というニュアンスがあります。
自分ではどうしようもできない俯瞰的な立場からの心情とも言えます。
- ライオンに捕まってしまったシマウマに憐憫の目を向けた
- 詐欺被害にあった芸能人に憐憫の情を禁じ得ない
- テレビに映る戦場の様子に憐憫の念を強めた
自分と相手にある程度の距離があり、相手の不幸や苦悩を俯瞰しているようなニュアンスがあります。
同情の使い方について
同情とは文字通り、
「情」を「同」じにする、ということであり、相手に対して親身になってその感情を理解することです。共感と違って、相手の不幸、苦悩に対する心情を慮るときに用います。
- 共感・・・試験が簡単だったと言った友達に共感する
- 同情・・・試験に落ちた友達に同情する
同情を使った例文について
- 試験に落ちた友人に同情する
- リストラにあった友人に同情する
- 恋人にフラれた友人に同情する
憐憫の使い方
憐憫には、
「憐憫の目」、「憐憫の情」、「自己憐憫」など、他の言葉と組み合わせて使うことがほとんどです。
- 上司に叱責された同僚に憐憫の目を向けた
- 飼い主をなくした犬に憐憫の情を抱く
- 失敗が続き自己憐憫に陥った
など。憐憫単体ではあまり使用せず、「憐憫の~」などと使用します。
さいごに
今回は「同情」と「憐憫」の意味の違いや使い方についてお伝えしました。
新聞やニュースで目にすることが多い言葉なので、しっかり覚えておきたいところです。