電話対応で気をつける10のことを徹底解説

電話対応は常に細心の注意を払って行う必要があります。不本意な対応をすると良からぬクレームに発展することがあり、企業の社会的信頼を損ねてしまう可能性もあります。

今回は実際に電話対応においてクレームに発展した事例をもとに、電話対応で気をつけることを解説していきます。

電話対応で気をつける10のことを徹底解説

通話の内容は録音されているものと心得る

この通話は迷惑電話防止のため録音されます

一度はこのようなガイダンスを耳にしたことがあると思います。嫌がらせ対策や通話内容の確認のために、企業側が通話内容を録音していることを示すガイダンスです。

実際に通話は録音されており、通話録音は数ヶ月の間保存されることが一般的です。

ここで気をつけたいのが、録音しているのは企業側に限ったことではないということです。

今の時代、個人の電話でも通話内容を保存できるものなどがあり、個人(お客様側)で通話を録音している人もいるということを肝に銘じた方がいいでしょう。

言った言わないを防ぐために録音する人もいますし、企業側の不誠実な対応を録音してSNSで拡散するといった事例もあります。

もしあなたが電話対応で感情的になってしまい、不誠実な対応をすると、それは企業の対応として扱われます。場合によっては会社から従業員へ損害賠償を請求されることもあります。

不誠実な対応や、暴言などは絶対に行わないようにしてください。

NG例

  • お客様:名字が変わったんですよ→離婚ですか?
  • お客様:息子とはしばらく連絡取ってないんですよ→家出したんですか?

OK例

  • お客様:名字が変わったんですよ→契約内容を変更いたします
  • お客様:息子とはしばらく連絡取ってないんですよ→最後に連絡が取れたのはいつ頃ですか?

発した言葉は戻ってはきません。言葉を発する前に、その言葉はクレームに発展するものではないか確認する事が大切です。

「はい」の使い方に注意

相手の話に相槌を打つ場合に使われる「はい」という言葉。相手の話の所々で使用する言葉ですが、「はい」という言葉が「肯定」として捉えられてしまうことには注意が必要です。つまり捉えた方によっては「そうですね」という意味合いにとられてしまうこともあるということです。

NG例

  • お客様「気付かなかった私も悪いんだけど〜」
  • あなた「はい」

相手の話に相槌を打つつもりで使った「はい」という返事が、肯定の意味合いに捉えられてしまうことがあります。このようなことを防ぐためには、

あえてなにも返事をしないという「無言の間」を作ることが良いでしょう。

個人の意見としての発言はしない

お客様から、会社としての意見ではなく、個人としての意見を求められることがあります。

  • 他社でこんなひどい接客を受けたんだけど、ひどいと思いません?あなたはどう思います?

このように、同意を求めてくるお客様は少なくありません。こんな時相手に同調して「それはひどいショップですね!」などと同調しないようにしましょう。

個人の意見は「会社の意見」として受け取られます。他社の悪口を言う会社であると思われてしまえばそれまでです。

あくまでもお客様の心情理解に徹する言葉を選び、親身に寄り添う姿勢を示しましょう。

  • それは大変でしたね
  • お気持ちお察しいたします
  • 当社ではお客様に満足頂ける接客を心がけておりますが、なにかご要望があればお気軽にお申し付け下さい

電話している人の周りで笑い話はしない

電話をしている人の周囲で笑い話をするのは控えましょう。クレーム対応中に、相手に笑い声が聞こえると、

「俺のことで笑ってるのか?」と勘繰られてしまうこともあります。真剣に話をしているお客様からすると、後ろで笑い声が聞こえることは気持ちの良いものではありません。

電話の向こうのお客様は、社内の話の内容までは聞こえなくても,笑い声だけはしっかり認識します。常に周囲に電話している人がいないかを気にかけておく必要があります。

言い回しに注意する

  • ちょっとよく分からないんですけど
  • どういうことですか?
  • よく聞こえません

「丸い卵も切りようで四角、ものも言いようで角が立つ」と言うように、言い方一つで失礼な印象を与えてしまうのが電話対応の気をつけるべきポイントです。

相手の姿が見えない電話対応では、言葉そのものの持つ力がそのまま相手に伝わります。そのため、言い回しや言い方には特段気をつけなければなりません。

  • もう一度教えていただけますか?
  • 少々お電話が遠いようですが

と丁寧な伝え方をするように意識してみましょう。

姿勢を正して対応する

「姿が見えないのだから、どんな姿勢でも良いのでは?」と考えがちですが、背中を丸めて足を組んで対応していたのでは、お客様に対する真摯な姿勢を示すことができません。

姿勢が悪いことによって、どもったような暗い声になりますし、聞き取りにくい声にもなります。まずは姿勢を正すことでハキハキと声が通るようになり、気持ちの良い電話対応になります。

思いやりの気持ちを持って電話対応を行う

ただ淡々とマニュアル通りに対応をすすめていては、「冷たい印象」を与えてしまうでしょう。冷たい印象を与えてしまう言葉には、

  • できません
  • 無理ですね
  • 知りません
  • もう受付は終了してます

こんな種類の言葉があります。相手を突き放すような冷たい印象を与える言葉です。これでは電話対応を良いものにすることは困難です。肝心なことは、できないものはできないと頭ごなしに拒絶するのではなく、お客様の要望に寄り添いつつも、会社として出来ることと出来ないことがあることはしっかりとお客様へ伝え、そのうえで代替案や解決策を導こうとする姿勢を示すことです。

  • せっかくお電話頂きましたが、あいにく私どもではそのようなサービスは行っておりません。しかし代わりに〇〇というサービスがございますがいかがでしょうか?

メモを取る意識を持つ

レストランで店員さんに料理を注文する時に、全くメモをせずに注文を覚えようとする店員さんには些か不安を覚えるものです。

案の定、「ご注文なんでしたっけ?」と言われた日には怒り心頭ですよね。

電話対応でも同じで、相手が言ったことを頭で覚えるのではなく、しっかりと書き留めることが大切です。常にメモ用紙とボールペンは手元にある状態にしておきましょう。

タイピングの音に気をつける

コールセンターでは、お客様の発言をキーボードで「タイピング」して記録を残しますが、記録を残すことをメインで対応していると、よからぬクレームを引き起こすこともあります。

実際にタイピングの打鍵音が大きいスタッフは、「カタカタ」というタイピングの音が相手に聞こえてしまっています。

  • ちゃんと聞いてるのか?
  • 何かやりながら話を聞いてるのか?

と相手を不快に思わせてしまうことがあります。記録を残すことは大事ですが、お客様が真剣に話をしている最中に「カタカタカタカタ」とあからさまに記録を残す、すなわち「業務」をしていることを全面的に示さないように気をつけましょう。

電話の切り忘れに注意

電話を切ったつもりが、きちんと切れておらず、その後のお客様への愚痴が丸聞こえになっていたというケースを目にしたことがあります。

愚痴を言うことは良くありませんが、少なくとも電話をしっかりと切ってから、隣の席の人と話を始めるように気をつけましょう。

さいごに

今回は電話対応で気をつけるべき10のポイントについてご紹介しました。電話をかけるときや受ける時に思い出して頂ければ幸いです。

       

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