お客様との会話の中では、どのように返答したら良いのか悩んでしまうことが多々あります。同情してもらいたいような言葉だったり、他人の愚痴だったり、褒められたりとさまざまです。
電話対応が上手いオペレーターはどのような発言に対しても、お客様の心情を読み取って適切な回答をします。
ここでは返答に困ったときに上手に電話対応するオペレーターの特徴について、パターン別の上手な返答の仕方を見てみましょう。
コールセンターで電話対応が上手い人の17の特徴について
お客様の気持ちに共感することができる
×「左様でございますか」
〇「それはお寂しいですね。どうか長生きされて下さいね」
ご自身のことについて話すお客様は非常に多いです。特にご年配の方で自身の心境、心情を知ってほしいという方が多くいらっしゃいます。無下にすることはせず、お客様のお気持ちに寄り添い、思いやりの気持ちを示しましょう。
悪口を言わない
×「本当にひどいショップですね」
〇「そのような対応だったのですね。大変でございました、お気持ちお察し致します」
こちらもよくある愚痴のパターン。「こんなことがあった」ということを知ってほしいというお気持ちです。同調して一緒に悪口を言うことのないように注意し、お客様が大変な思いをしたという心情を汲み取りましょう。
相手の理解度を確認しながら会話を進めることができる
×「かしこまりました。・・・続いてですが・・・(方法や手順などを一方的に伝える)」
〇「ここまでで何がご不明な点はございますか?」
電話対応の上手い人は、話の内容を相手が理解しているかどうかを、適宜確認しながら会話を進めることができます。
電話の相手は、説明の途中で質問を投げかけることを無遠慮であると感じ、疑問点があっても躊躇して質問しないことがあります。
そのようなお客様に対し、「ここまでで何かご不明な点はございますか?」と寄り添いの姿勢を示しながら適宜適切なタイミングで確認することによって、疑問点や不明点をその都度明確にすることができます。
お客様に非がないことを伝える
×「大丈夫です」
〇「お気になさらないで下さい。こちらこそ伝わりにくい言葉で申し訳ございません」
ご年配の方がよく仰ること言葉です。お客様に心苦しい思いをさせないように「こちらこそ申し訳ございません」という気持ちを持って対応しましょう。
ご年配の方は高音の声が聞き取りにくいことが多いので、少し声のトーンを下げゆっくり話すなどの工夫が必要です。
感謝の気持ちを伝える
×「はい・・・。」
〇「お役に立てて何よりです。こちらこそありがとうございます」
最後に感謝の気持ちを伝えて下さるお客様も多くいらっしゃいます。一期一会の気持ちを持って、こちらも最後の感謝の気持ちを伝えましょう。
親身になって話を聞く
×「大丈夫です」
〇「○○様さえ問題なければお時間は気になさらないで下さい」
不明な点が多く、たくさんの質問をされるお客様もいますが、どんな質問にも面倒な気持ちを見せずに答えるのがコールセンターの責務です。どんなことでも親身になってお応えしますという姿勢を示しましょう。
お客様を不快にさせない
×「佐村!です」
〇「失礼しました。私は「さ、む、ら」と申します」
こちらもよくあるパターン。聞き返されたときには決して声を張って伝えようとせず、改めてゆっくり丁寧に伝えます。
お客様が申告した通りに復唱確認する
×「090-●●●●-●●●●でよろしいでしょうか?」
〇「090-●●-●●●-●●●でよろしいでしょうか?」
一般的には携帯電話の番号の区切りは「3-4-4」ですが、全てのお客様がそのような覚え方をしているとは限りません。
申告された区切り方ではなく、本来の区切り方に当てはめて復唱すると不遜な印象を与えかねてしまいます。
お客様が混乱してしまうことがあるので、確認する際はお客様の申告通りに復唱しましょう。
お客様の話を遮らない
×「○○ってことですか!?」
〇「適切な相槌で話を促す」
お客様がまだ話を終えていないのに、要約したり、話を被せることは避けましょう。話を途中で遮ってしまうと、クレームに発展する可能性さえあります。
お客様が話している最中は、話を被せず適切な相槌を使用して話を促します。お客様が話を終えるときには必ず何かしらのサインがあるものなので、そのサインが来てから一呼吸おいて話始めましょう。
お客様の主張を真っ向から否定しない
×「正確なシステムで管理していますので、間違いはございません」
×「ご家族の方が使ったのではありませんか?」
〇「システムに不具合がなかったか一旦確認してみます」
身に覚えのない通話料金などが発生し、心配になっているお客様に対して、真っ向から否定することは火に油を注ぐことになり、クレームになります。たとえ万全なシステムだとしても、一旦は相手の主張を聞き入れ、その上で回答するのが一流の電話対応と言えます。
お客様のスピードに合わせることができる
×「〇〇についてのご確認でございますね?かしこまりました。それでは〇〇についてすぐにお調べいたしますので、恐れ入りますが少々お待ち頂いてよろしいでしょうか?」
〇「至急確認します」
普段は丁寧な対応が求められるコールセンターですが、お客様が急いでいるときは「スピードを合わせて対応する」ことが必要です。お客様が急いでいるのに、丁寧過ぎる対応で時間をかけてしまっては本末転倒です。
逆にご年配の方でとてもゆっくり話をするお客様に対しては、こちらも話す速度をゆっくりにし、聞き取りやすいように話す必要があります。
ポジティブな表現で伝えることができる
×「〇〇はできません」
〇「○○は当社ではいたしかねますが、代わりに△△でしたら可能ですがいかがでしょうか」
真っ向からお客様のご要望を全否定してしまうような表現は避けなければなりません。「お客様の力になること」がコールセンターの役目なので、代替案を伝えるなどしてお客様に寄り添っていることを示すことが大切です。
威圧的な言葉を使わない
×「それはなぜですか?」
〇「ご事情をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
なぜですか?どうしてですか?と詰問するような態度は相手を萎縮させてしまい、思わぬクレームに発展することも。
まずは親身になって相手の事情を伺い、双方にとって良い方向へ話をすすめる姿勢が大切です。
話出しが被ったときにはお客様に譲る姿勢を示す
×「それでは請求書を再発行しますので」
〇「それでは、あっ失礼しました、続けて下さい」
電話対応では話出しが被ることが頻繁にあります。その時には話を譲る姿勢を示すことが大切です。特にお客様が何か間違っていることを話し始めたときに、お客様の話を訂正をしたいがために、話を被せてしまうことがあります。
まずは傾聴の姿勢を示し、お客様が話を終えたところで、「その件でございますが、」と切り出しても良いでしょう。
また事故対応時など、状況によってはこちらの話を至急伝えなければならないこともあります。その時は「〇〇様、重要なことがあるのでよろしいでしょうか?」と話を切り出す必要もあります。
会話の最後を良い印象で締めくくることができる
×「それでは失礼いたします」
〇「お役に立ててなによりです。また何かご不明な点があればご連絡頂ければと存じます」
電話対応の冒頭の印象に加え、最後に受けた印象も電話対応の良しあしを左右するうえで重要なポイントです。一期一会の気持ちを持って、電話の最後に感動を与えられる言葉を添えたいものです。
電話対応の最後に伝えたい言葉の例
- 今後ともよろしくお願いいたします
- お忙しい中お電話頂きありがとうございました
- この件につきまして、私○○がしっかりと担当者に申し伝えます
- お足元に気を付けてご来店下さいませ
対応にかかる時間を予め説明できる
×「それでは説明いたします」
◯「少々複雑な内容になっておりますので、10分程お時間を頂きますが、よろしいでしょうか? 」
複雑な内容を説明するとき、所要時間がどのくらいかかるのかを予め案内するのが親切です。 すぐに解決するものと思われているお客様にとっては、所要時間を知らされることにより、時間のあるときにかけ直してくれることもあります。
お客様の置かれている環境についての配慮ができる
×「それでは電話番号の確認ですが090-・・・」
◯「いま踏切の音が聞こえていますが、お電話お待ちした方がよろしいでしょうか? 」
相手が電話を続けられる環境であるか、または音声がしっかりと聞こえる状況であるかの配慮を常に意識しましょう。電話口の向こう側での踏切音、赤ちゃんの泣き声、ペットが吠えているなどの場合には「このままお電話続けても大丈夫ですか?」という配慮のお声がけをしましよう。
さいごに
今回はコールセンターでの対応が上手い人の17の特徴についてご紹介しました。どんな対応でもお客様のためを思って行うことによって、上手な対応は身に付いていきます。