ここではお客様との距離が縮まる17のクッション言葉の種類一覧と使用例についてご紹介します。
クッション言葉とは、お客様と良好な関係を築くための大切な言葉です。「ビジネスの枕詞(まくらことば)」とも言います。
クッション言葉の重要性については下記の記事も参照してみてください。
クッション言葉にはさまざまな種類がありますが、シーンに応じて使い分ける必要があります。
どのクッション言葉もお客様と友好な関係を築くための大事な言葉ですので、できるだけ多くの種類を覚えておきましょう。
下記にクッション言葉の種類一覧を作成しましたので、ご活用下さい。
コールセンターやビジネスで使う17のクッション言葉の種類一覧と例文について
「申し訳ございませんが」
言葉の通り、申し訳ないという気持ちを伝える場合に使用する言葉です。冒頭に「大変」という言葉をつけることにより、より一層申し訳ないという気持ちを伝える表現になります。
昨今では「すみませんが」というクッション言葉が頻繁に使われていますが、「すいません」をただ丁寧に表現した俗な言い方であり、ビジネス上ではふさわしくありません。
例文
- 「申し訳ございませんが、私どもでは致しかねます」
- 「申し訳ございませんが、本日の営業は終了しております」
- 「大変申し訳ございませんが、そのようなサービスは行っておりません」
「お手数ですが」
相手に対して何か手数のかかることをしてもらうときに使用するクッション言葉です。
例文
- 「お手数ですが、お手元にクレジットカードを ご用意頂いてもよろしいでしょうか?」
- 「お手数ではございますが、必要事項をご記入いただき、ポストに投函して頂いてもよろしいでしょうか?」
- 「お手数をおかけいたしますが、郵便料金の分の切手を貼っていただけますか?」
「恐縮ですが」
相手に対してこれから面倒をかけるかもしれない、または迷惑をかけるかもしれないであろうことをあらかじめ伝えるためのクッション言葉です。
例文
- 「恐縮ですが、 何卒ご理解の程よろしくお願い致します」
- 「恐縮でございますが、 代表してご挨拶をさせていただきます」
- 「大変恐縮でございますが、 お力添えお願いいたします」
「失礼ですが」
これから自分自身が伝えることが相手に不快に思われるかもしれないことを、あらかじめ伝える言葉です。おもに相手のお名前を聞くときに頻繁に使用されるクッション言葉です。
例文
- 「失礼ですが、 お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
- 「失礼ではございますが、 フルネームをお伺いしてもよろしいでしょうか?」
- 「大変失礼ですが、 ご年齢を確認させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「申し上げにくいのですが」
言葉の通り、言いずらいことを最初に断っておくための言葉です。
例文
- 「申し上げにくいのですが、 お客様のご希望には沿いかねます」
- 「大変申し上げにくいのですが、 当社ではそのような対応はいたしかねます」
- 「申し上げにくいことではございますが、 ご解約されたお客様に対してはサービスのを提供はいたしかねます」
「差し支えなければ」
自分がこれから行うことが相手にとって特に問題がなければ、面倒でなければということを伝えるクッション言葉です。
「もしも不都合であれば断っても構わない」という意味合いもあるため、非常に謙遜しているような印象になります。
例文
- 「差し支えなければ、 ダイレクトメールをお送りしてもよろしいでしょうか?」
- 「差し支えなければ、 ご解約される理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
- 「差し支えなければ、 アンケートにお答えいただいてもよろしいでしょうか?」
「可能であれば」
もしできるのであればしてもらいたいという意向を示すクッション言葉です。無理なら問題ないですというニュアンスを含むので、無理強いしている印象を与えません。
例文
- 「可能であれば、 明日までにお支払いをお願いしてもよろしいでしょうか?」
- 「もし可能であれば、 直接お会いして商品の説明をしてもよろしいでしょうか?」
「ご面倒ではございますが」
「お手数ですが」よりも相手に手数がかかる場合に使用するクッション言葉です。
例文
- 「ご面倒ではございますが、店舗へ来店して頂いてもよろしいでしょうか?」
- 「大変ご面倒ではございますが、お客様ご自身で業者に確認していただけますでしょうか?」
「ご足労をおかけしますが」
相手に対しある一定の場所へわざわざ赴いてもらう際に使用するクッション言葉です。
例文
- 「ご足労をおかけしますが、 銀行窓口でお支払い頂けますでしょうか?」
- 「ご足労をおかけいたしますが、 店舗へご来店のうえご解約をお願いします」
「勝手を申し上げますが」
自分の都合ですが、ということを謙遜して伝えるためのクッション言葉です。
例文
- 「勝手を申し上げますが、 明日のご都合はいかがでしょうか?」
「ご多忙中とは存じますが」
「お忙しい中申し訳ございませんが」と同様の意味で使用するクッション言葉です。
例文
- 「ご多忙中とは存じますが、 何卒よろしくお願い致します。」
「お足元の悪い中申し訳ございませんが」
雨、雪などの天候時、相手に対しある一定の場所へ赴いてもらう際に使用するクッション言葉です。
例文
- 「お足元の悪い中申し訳ございませんが、 店舗へご来店頂けますでしょうか?」
「既にご存じでしたら申し訳ございませんが」
これから伝えることを相手が既に知っている可能性がある場合に使用するクッション言葉です。また、相手が知っていると分かっている場合でも「念を押す」意味合いで使用することもあります。
例文
- 「既にご存じでしたら申し訳ございませんが、 来月から営業時間が変更となります。」
- 「お聞き及びかとは存じますが、 通帳の発行手数料が有料となりました。」
「確認でございますが」
事柄に間違いがないかどうかを確認したいときに使えるクッション言葉です。大切な情報を確認する際に使用します。
例文
- 「確認ですが、いまお電話を頂いているのは契約者ご本人様でよろしいでしょうか。」
- 「念のためのご確認ですが、請求書の送付先は登録されてある〇〇県○○市~でよろしいでしょうか。」
「お役に立てず」「お力になれず」「ご迷惑をおかけして」
ただ「申し訳ございません」と形式的に伝えるだけでは、「何に対して申し訳ないと思っているのか」ということがはっきりと伝わりません。「なぜ謝るのか」を一度考えて適切な言葉を使用しましょう。
例文
- 「お役に立てず、申し訳ございません。」
- 「お力になれず、大変申し訳ございませんでした。」
- 「ご迷惑をおかけして、誠に申し訳ございません。」
「お気持ちはありがたいのですが」
相手の気持ちはよくわかりますが、希望に添うことができないときに使えるクッション言葉です。
例文
- 「お気持ちはありがたいのですが、金品をお受けすることはできかねます。」
- 「お気持ちはありがたいのですが、個人的に連絡を取ることはできかねます。」
「お話の途中で申し訳ございませんが」
お客様の話を遮ってしまうのは憚られることですが、すぐにお客様に知らせなければならないことがある場合に使用できるクッション言葉です。
例文
- 「お話の途中で申し訳ございませんが、いま安全なところにいらっしゃいますか?」
- 「お話の途中で申し訳ございませんが、こちらは電力会社ではございません。」
以上、17のクッション言葉の種類一覧でした。
「程度副詞」+「クッション言葉」で強い気持ちを伝える
「非常に」「大変」「誠に」「少々」「すごく」などの「程度副詞」をクッション言葉の前に付けることで、気持ちを強めることができます。特段強い思いを相手に伝えたい時に使用しましょう。
- 非常に申し上げにくいのですが、
- 大変恐縮ですが、
- 誠に申し訳ございませんが、
- お忙しいなかご足労ではございますが、
- 甚だご迷惑かとは存じますが、
日常会話でもクッション言葉を使用している?
実はクッション言葉は、お客様に対してだけではなく、日常の会話でも頻繁に使ってるんですね。
- 「ごめん、それ取って~!」
- 「わるいんだけど、明日は予定あるわ」
このように、クッション言葉を使って相手に伝えてますよね。
また、シーンに応じてクッション言葉の使い分けも必要です。シーンに適さないクッション言葉を使用すると、違和感のある会話となってしまうことがありますので注意が必要です。
- 「お手数ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
ん…?名前を言うのに手数はかかってないぞ…?となってしまうため、適切ではありません。ここでの正解は、
- 「失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
となります。
クッション言葉を誤用したとしても、一番大事なのはお客様を敬っている気持ちです。
お客様を敬っている気持ちは、声の表情などからも伝わりますので、クッション言葉を誤用したからといって大きな心配をする必要はないでしょう。
はじめのうちは、シーン別のクッション言葉の一覧表を、自身のデスクの目に見える場所に貼り、その一覧表を見ながらお客様と会話すると良いと思います。
慣れてくれば自然とクッション言葉を使用できるようになります。そうなった時には自然と相手を敬うことになって、人として成長したということかもしれません。
会社の仲間にもクッション言葉を使おう
人間関係を友好にするため、お客様だけでなく会社の上司、同僚、部下にもどんどんクッション言葉を使用しましょう。
- 「
おしゃべりお話の最中に申し訳ございませんが、◯◯課長にお電話が入っております」 - 「誠に勝手ながら、来月は10連休を取らせて頂きます」
- 「大変申し訳ございませんが、その日は風邪で休む予定なので、飲み会には参加できません」
などなど。少々冗談が過ぎましたが、たくさんのクッション言葉を使用して、お客様や会社の仲間と友好な関係を結びましょう。
続いては電話を保留にする際に気を付けるべき3つのポイントを確認しましょう。