お客様から申告してもらった情報を誤って聞き取ってしまうと、重大なミスに繋がってしまうことがあります。
大切な情報は「話し手が言ったかどうか」ではなく「聞き手に正しく伝わったかどうか」が重要です。
聞き取り間違いを防ぐには、お客様から申告された大切な情報を「復唱確認」することです。復唱確認が必要な情報には以下のようなものが挙げられます。
- 名前
- 電話番号
- 住所
- 生年月日
- 日時
- 金額
復唱確認することによって、聞き取り間違いを防ぐだけでなく、「言い間違い」を防ぐこともできます。
大事な情報は確認し過ぎていけないことはないので、復唱する際にはゆっくりと、はっきりとした口調で確認することも大事です。
しかし電話中の会話では、電波状況や周囲の雑音のため相手の声がはっきりと聞き取れないことがあります。そんな時に効果的な方法があります。
ひらがなを正確に伝える方法
ひらがなを正しく伝えるには、「別の単語」を用いて確認すると効果的です。
例えば自身の名前を「佐村(さむら)」と伝えた場合、相手には「田村(たむら)」と聞き間違えられてしまうことがあります。
その場合は「サシスセソのサです」とは言わず、
- 「サインのサ」「サクランボのサ」
のように伝えましょう。
なぜなら相手に取って「サシスセソ」という言葉自体が「タチツテト」に聞こえてしまうこともあり、余計に混乱してしまうのです。
「サインのサ」「サクランボのサ」などと伝えれば、相手は「タイン」「タクランボ」とはイメージしないので、すぐに理解してもらうことができます。
ひらがなを正しく伝えるためのイメージしやすい単語を50音順に並べましたのでご活用ください。
ひらがな(50音)を正しく伝えるための一覧表
- あいらんど
- いちょう
- うさぎ
- えんぴつ
- おっとせい
- かもめ
- きりん
- くじら
- けいと
- こども
- さくらんぼ
- しまうま
- すみれ
- せかい
- そろばん
- たんぼ
- ちけっと
- つみき
- てがみ
- とんぼ
- なのはな
- にんじん
- ぬいぐるみ
- ねずみ
- のはら
- はがき
- ひまわり
- ふくろう
- へりこぷたー
- ほたる
- まっち
- みかん
- むらさき
- めっせーじ
- もみじ
- やおや
- ゆりかご
- よっと
- らじお
- りんご
- るびー
- れもん
- ろーま
- わいん
- わをんの「を」
- わをんの「ん」
数字を正確に伝える方法
数字についても聞き間違い、言い間違いがあると重大なミスに繋がりますので、より一層の注意が必要です。
特に聞き間違いが多いのが、
- 「1」「4」「7」の数字です。
4と7の場合は、
- 「4」・・・「よん」
- 「7」・・・「なな」
と伝えることによって、聞き取り間違いを防ぐことができます。
旅行会社などは4月を「よんがつ」、7月を「なながつ」と言うようにしていますね。
「1」は「いち」としか読めないので、
- 「123の1」
- 「1番2番の1」
と伝えることによって聞き間違いを防ぐことができます。
また、「1」と「8」の聞き間違いも多く発生します。二文字目が「チ」で同じため聞き間違えが生じます。
「イチ」「ハチ」と頭文字を強調することで、聞き間違いを防ぐことができます。
時刻を伝えるときの正確な伝え方
- 「9時に会いましょう」
と言われても、午前なのか午後なのかわかりません。時刻の前には必ず「午前」または「午後」をつけるようにしましょう。
聞き間違えやすい時刻として、
- 午後の9時(ゴゴノクジ)
- 午後6時(ゴゴロクジ)
というものがあります。伝達ミスを防ぐためには24時間式を使って、
- 「21時に会いましょう」
と伝えても良いでしょう。
アルファベットを正確に伝える方法
アルファベッドについても聞き間違えが非常に多く発生します。特に聞き間違えが多いアルファベットが、
- 「B」と「D」(ビー、ディー)
- 「I」と「Y」(アイ、ワイ)
- 「T」と「P」(ティー、ピー)
などです。電話口でアルファベッドを正しく伝えるためには「英単語」を用いて伝えましょう。
- 「BLACKのB」(ブラックのビー)
- 「ITALIAのI」(イタリアのアイ)
- 「TIGERのT」 (タイガーのティー)
このように英単語を使うことによって、聞き取り間違いを防ぐことができます。
ここでもイメージがしやすいアルファベッドをAから順に並べてみましたのでご活用下さい。
アルファベットを正しく伝えるための一覧表
- APPLE
- BLACK
- CHINA
- DOG
- EASY
- FAMILY
- GREEN
- HAWWAI
- ITALIA
- JAPAN
- KING
- LONG
- MUSIC
- NUMBER
- OK
- PEACE
- QUEEN
- RUSSIA
- SUGAR
- TOKYO
- USA
- VICTORY
- WASHINGTON
- X-RAY
- Yogult
- ZEBRA
このように、少しの工夫によって聞き取り間違いは防ぐことができますので、普段の電話などでも是非実践してみてください。
また、社内でアルファベットを伝える際の共通の英単語を決めておくことにより、スムースに伝達することができます。
数字やアルファベット相手に正確に伝えるための工夫
正確に情報を伝えるためには、いろいろな方法がありますが、下記の2つの方法を試していただくとより伝達ミスを減らすことができます。
初めにケタ数を伝える
たとえば「0532586」という数字を伝える場合ですが、数字を読み上げる前に、
- 7桁でございまして
- 7桁で
- 7桁です
と伝えるのは効果的です。というのも相手はこれから伝えられる数字が何桁なのか全く予想がつかないからです。
口座番号などであれば6〜8桁のものが多いので想像がしやすいですが、お客様番号や何かしらのコード番号などは何桁なのか想像しにくいですね。
区切って伝える
上記の「0532586」という数字を正確に伝えるのであれば、
- 「053、2586」
と区切って読み上げるほうが親切です。一度に読み上げられると聞き手側は焦ってしまい、聞き取り間違いが起こることもあります。
数字とアルファベットが混在しているとき
たとえば、
「a7ukda39pjt」
のように数字とアルファベットが混在しているパスワードなどを伝える場合には、あらかじめ、
「数字とアルファベットが混在していますが」
と前置きし、
「appleのA、数字の7、…」と伝えることにより、聞き手が理解しやすくなります。
「メモのご用意はよろしいでしょうか?」は失礼になる
相手に大切な情報を伝えるとき、気遣いのつもりで、
- 「メモのご用意はよろしいでしょうか?」
- 「メモをご準備いただけますか?」
というフレーズを使っている方が多くいます。間違いのないように、という思いからこのフレーズを使うようですが、相手によってはやや「押し付けがましい」という印象を受けてしまいます。
言い換えるには、
- 「番号を申し上げてもよろしいでしょうか?」
- 「お伝えしてよろしいでしょうか?」
というフレーズを使います。このように伝えることで、メモを取るかどうかの判断を相手に委ねることになるため、失礼な印象にはなりません。こうすることで相手のほうから「メモするんで待っててください」という自然な流れになります。
さいごに
情報を正しく伝えるための工夫を面倒がってしまうと大きなミスや情報事故に繋がってしまい、最終的により大きな面倒事が起こってしまいます。
情報をしっかり伝えることを癖付け、ミスのない電話対応を目指しましょう。