電話対応の締めくくりのことをクロージング(closing)と言います。クロージングは電話対応全体を印象付ける重要な役割で、クロージングをしっかりと行うことにより電話対応がより良いものとなり、お客様の満足度の向上へと繋がります。
今回は電話対応におけるクロージング時の重要なポイントについて解説します。
電話対応のクロージングで大切な6つのポイントについて
電話対応において、クロージング時のポイントについて解説します。
不明点の確認を徹底する
お客様が問い合わせた内容が解決した後、電話の締めくくりに向かう流れになりますが、その際に不明点(疑問に思っていることや、再確認したいこと)がないか確認する姿勢が重要です。
案内を終えたあと一方的に「それでは失礼します」と事務的に対応を締めくくってしまっては決して印象は良くありません。
- 「ご案内は以上でございます。何かご不明な点はございますか?」
と不明点を確認することを心がけましょう。
質問があった場合
不明点の確認時、お客様から何か質問があった場合にはもちろん親身に対応しましょう。
また、その質問が解決した後はもう一度不明点の確認をすることも重要です。「他には何かございますか」このように、質問があった度に不明点を確認することによって、どのような質問でも寄り添う姿勢が伝わります。
質問がない場合でも「なにかありましたらお気軽にお電話いただければと思います」と締めくくるのも大切です。
最後の名乗りを徹底する
会社名だけ名乗り、自らの名前は名乗らない人がいますが、お客様との信頼関係を築くためにも、電話の冒頭だけではなくクロージング時にも名前を名乗ることが大切です。対応の後にも名前を名乗ることによって、お客様に安心感を与えることができます。また、名前を伝えることで責任を持って対応しているということが伝わるというメリットもあります。
さらにお客様からの再電話の場合に、担当者の名前が分かっていることによって取次がスムースになるというメリットもあります。
電話の冒頭で名前を伝えるだけでは、お客様は名前を覚えていないこともあります。クロージング時にあらためて名前を伝えることで「何かあったら〇〇まで連絡下さい」ということが間接的に伝わるということにもなります。
お礼の言葉を必ず伝える
クロージング時にはお礼の言葉を必ず伝えるようにします。お礼の言葉がないと、敬意を欠いた対応となり電話対応の品質を下げてしまいます。冒頭で「お電話ありがとうございます」という挨拶の言葉が大切であるように、クロージング時にもお礼の言葉をしっかりと伝える必要があります。
お礼の言葉は多数ありますが、状況に応じて使い分けることも大切です。
クロージング時のお礼の言葉の例
- 「お電話頂きありがとうございました」
- 「お待たせしてしまい申し訳ございませんでした」
- 「お忙しい中ご連絡頂きありがとうございました」
- 「この度は不手際があり申し訳ございませんでした」
- 「この度はご不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした」
通常であれば「お電話頂きありがとうございました、それでは失礼いたします」と締めくくるのが適切ですが、状況に応じて挨拶の言葉を柔軟に変えると印象の良い応対になります。
お客様の期待を上回る対応を心がける
クロージングを行う際、お客様を感動させられるような付加価値をつけることが大切です。お客様が期待するような対応をしただけでは、単純に期待に応えただけでありそれ以上の結果は望めません。電話越しにお客様の期待を上回るような、何か感動させるような言葉を添えたいところです。
では、どんな言葉を伝えればよいのかというと、お客様のことを慮る気持ちから生まれる言葉であれば、どんな言葉でも感動は生まれます。
付加価値を生む言葉の例
- 「雨なのでお足元に気を付けてお越しくださいませ」
- 「体調がすぐれない中ご連絡頂きありがとうございました」
- 「大変な状況の時にお電話頂き誠にありがとうございます」
- 「長い間ご契約頂きありがとうございました、また機会があれば宜しくお願いいたします」
- 「書類の書き方で分からないことがあれば、お気軽にご連絡頂ければと思います」
- 「もしFAXが届かなければ、ご連絡頂ければと思います」
用件、内容を復唱するクロージング
クロージングでは、お客様の用件、内容について改めて復唱することが大切です。
「ご住所の変更につきまして、私〇〇が承りました」内容によっては、詳細まで繰り返すことも重要です。例えばレストランの予約を承る際には、
「それでは内容を確認します、◯月◯日の17時、2名様、梅コース、禁煙席で承ります」
このように確認することで、お客様に安心感を与えることもできます。
案内は以上となる、ということを伝える
こちらから説明することを一通り終えた後には「こちらからのご案内は以上でございます」と伝え相手ボールを投げかけましょう。この投げかけによって、お客様のなかで不明に思うこと、わからないこと、不安に思うことがあれば頭の中で整理する時間が生まれます。ある一定の間を置いたあと特に返答がなければ「何かご不明な点はございませんか」と不明点の確認の言葉を投げかけましょう。
さいごに
今回は電話対応でのクロージングの重要性について解説しました。電話対応の印象を良くしたいという方は是非参考にしてみてください。