- 「担当者が戻り次第、お電話差し上げます」
この「差し上げます」という言葉、ビジネスやコールセンターではよく聞く言葉ですね。
「差し上げる」という言葉は本来「やる、あげる、与える」の丁寧な言い方です。
「お電話差し上げます」という使い方自体は文法的に間違っていませんが、どこか違和感を覚える言葉です。
「お電話差し上げます」はビジネス上で失礼になる?
コールセンターやビジネス上で「お電話差し上げます」という言葉を使用しても間違いではありません。
ただ、「あげる」という言葉自体、相手に対して恩恵を施すようなニュアンスがあり、偉そうで上から目線な印象を与えてしまうことがあります。
- ~してあげる
- 見せてあげる
- やってあげる
- 教えてあげる
など。言葉を発している本人にとっては親切心から出た言葉だとしても、受け手側としてはどことなく見下されているようで、上から目線な印象を受けてしまう可能性があるかもしれません。
「お電話差し上げる」という言葉には、
「わざわざ電話してあげますよ」
というニュアンスを少なからず含んでしまうため、この言葉に違和感を覚える人も多いようです。
「食事を作って差し上げましょうか?」
と言われると、親切心から出た言葉であったとしてもどこかしら「厚かましさ」のようなものを感じとってしまいます。それよりも、
「食事を作りましょうか?」
と言われたほうが素直に聞き入れやすい柔らかな印象を受けます。
お電話差し上げますの意味は?
「お電話差し上げます」とは文字通り「相手に対し電話をする」という意味です。ビジネス上では下記のような言葉を誰しも聞いたことがあると思います。
お電話差し上げますの例文
- 担当者が戻り次第、お電話差し上げます
- 社内で事案を確認後、折り返しお電話差し上げます
- 状況が判明次第、お電話差し上げます
「お電話差し上げます」の言い換えについて
「お電話差し上げます」を別の表現で言い換えた場合、どのようなものがあるのでしょうか。
お電話します・・・△
単純に「お電話します」だけでは相手に対して敬意が伝わらず、良い表現とは言えません。
お電話させていただきます・・・△
近年「させていただく」という表現に対しては賛否両論があるようです。違和感を覚える人もいるので、使用しないほうが良いでしょう。
お電話いたします・・・〇
「お電話します」を丁寧に表現した言い方です。最も無難で、すんなりと受け入れられる表現ですね。「お電話をおかけいたします」という表現でも良いでしょう。
担当者が不在の場合の「お電話差し上げます」の言い換え方法
「担当者が戻り次第、お電話差し上げるよう申し伝えます」
と回りくどい言い方をよく聞きますが、「お電話差し上げる」という表現は厚かましい感じを否めません。
ビジネス上やコールセンターでお客様へ折り返しの電話を約束する時には「お電話差し上げます」ではなく、
とシンプルに伝えれば全く問題はないでしょう。
また、「お電話いたします」と同様の意味の
「ご連絡いたします」
を使用しても問題ありません。
「お電話いたします」の使用例
- 担当者が戻り次第、お電話いたします
- その件につきましては社内で事実を確認し、後ほどお電話いたします
- 確認が取れ次第、至急お電話いたします