と感じる方は多いかもしれませんが、マナーと手順をしっかりと理解していれば電話をかけるときの緊張がグッと少なくなります。
今回は電話のかけ方の基本(マナー、手順、コツ)について解説しますので、新入社員の方や仕事で電話を頻繁に使用する方に是非読んで頂きたいと思います。
電話をかける時の3つのマナー
電話をかける時に思い出してほしい重要な3つのマナーをまず説明します。
- 1.用件は短く、シンプルに
- 2.電話をかけるタイミングを考える
- 3.あいさつをしっかり行う
1.用件は短く、シンプルに
電話をかける前に、事前に話の内容をメモにまとめておくことが大切です。電話が繋がったあと頭が真っ白になり、話す用件を忘れてしまう、ということがよく起こります。
用件を書いたメモを手元に置いておくことで、スムースに話を切り出すことができます。
また、話の内容が複雑な場合には資料等も手元においておくと良いでしょう。
また、用件は短く簡潔に伝えるのがマナーです。相手に時間を使ってもらっているということを念頭に置いて電話をかけましょう。
2.電話をかけるタイミングを考える
電話をかける際は相手の都合をしっかりと考え、しかるべきタイミングで電話をかけるのがマナーです。緊急な場合を除き、朝一番(営業開始前、オープン前など)や、昼休み、営業終了間際に電話をかけるのは控えたほうが無難です。
電話をかける先が「携帯電話」の場合
架電先が携帯電話の場合には、相手が運転中であったり、電車での移動中、重要や商談中である可能性も視野に入れましょう。相手が出た場合には、
- 「いま少しお電話(時間)よろしいでしょうか?」
と相手の都合を配慮する言葉を忘れずに伝えます。
また、コールを鳴らし続けるのも配慮不足です。すぐに電話に出られないということは、電話ができない状況である可能性が高いため、長いコールは避け、短めのコール(5コール程度)で済ませましょう。
3.あいさつをしっかり行う
電話をかける時に最も重要なマナーが「あいさつ」です。あいさつをして礼儀正しく電話をすれば大抵は相手もしっかりと対応してくれます。
電話を受ける側に時間を使ってもらっているということを念頭に置き、
- いつもお世話になっております
- お忙しいところ申し訳ございません
のように謙虚な姿勢を示しましょう。
電話をかける時のフロー図について
基本的な電話のかけ方の手順については下記のフロー図をご確認ください。
- 「相手の電話番号の確認」
- 「話す内容の確認、メモ、資料の準備」
- 「お世話になっております。〇〇株式会社の△△と申します。」
- 「〇〇課の△△様はいらっしゃいますか?」
- 「〇〇の件で確認したいのですが、ご担当の方はいらっしゃいますか?」
- 「お世話になっております。〇〇株式会社の△△と申します。早速ですが××の件でございますが・・・」
- 「本日はお忙しいところありがとうございました」
- 「当日はどうぞよろしくお願いします」
- 「今後ともよろしくお願いいたします」
解説
1.電話をかける前の準備
- 「相手の電話番号の確認」
- 「話す内容の確認、メモ、資料の準備」
電話帳に登録されてある連絡先へ電話をかける場合は特段の注意は不要ですが、電話番号を直接入力する場合には、番号に間違いがないか入念に確認しましょう。
間違った番号にかけてしまうと相手に迷惑がかかるのはもちろん、電話に出なかった場合に、
「電話をかけたけれど応答がなかった」
という誤った記録が作られてしまいます。トラブルに繋がってしまう恐れもあるので、電話番号の確認はミスなく行いましょう。
2.自分の名前の名乗り
- 「お世話になっております。〇〇株式会社の△△と申します。」
相手が電話に出た後は、自身の会社名、名前を名乗りましょう。会社名を省略して伝えるのは印象を悪くします。また、開口一番に、
- 「~さんいらっしゃいますか?」
- 「〇〇の件なんですけど、わかりますか?」
と切り出すのはマナー違反です。電話を受ける側の立場から考えると、電話の相手は全く身元の分からない他人のようなものです。相手の不安を払拭するためにも、少しでも丁寧に自分自身の名前を名乗ることが大切です。
「もしもし?」はNG
電話をかけるにあたって真っ先に「もしもし?」と言っている様子を目にすることがありますが、相手にとって失礼です。
もしもしは「申す、申す」から由来していて「こちらの声は聞こえますか?」というニュアンスで、決して「あいさつ」にはなりません。
電話が繋がったあとは「お世話になっております」とあいさつの言葉を述べましょう。
3.担当者の確認、取次依頼
- 「〇〇課の△△様はいらっしゃいますか?」
- 「〇〇の件で確認したいのですが、ご担当の方はいらっしゃいますか?」
こちらの用件を担当する担当者の名前があらかじめ分かっている場合には名指しで指名します。その際、
- 「恐れ入りますが、〇〇課の△△様はいらっしゃいますか?」
とクッション言葉を使用して謙虚な姿勢を示すことも大切です。
また、担当の方が分からない場合には、電話に出た相手に長々と話し始める前に、
- ご担当の方はいらっしゃいますか?
- ご対応いただける方はいらっしゃいますか?
と確認するようにしましょう。
担当者が不在の場合
担当者が外出中、または会議中や離席中の場合が多くあります。その場合は状況に応じて下記の4つのパターンを使い分けましょう。
- 伝言を依頼する
- 戻ったら電話をもらう
- こちらから再度改めることを伝える
- 用件について分かるか聞いてみる
伝言を依頼する
- 「恐れ入りますが、ご伝言をお願いしてもよろしいでしょうか?」
担当者が不在の場合は伝言を依頼するのも1つの方法です。お願い事になるので、謙虚な姿勢でクッション言葉を使用しましょう。
また、伝言を依頼する場合には簡潔かつシンプルな用件に限定しましょう。あまりに複雑で込み入った内容だと、相手が混乱してしまい情報が誤って伝わったり、伝えたいニュアンスが異なってしまう恐れもあります。
担当者が戻ってきてから直接話した方が早いこともありますので、シンプルな用件のみ伝言してもらいましょう。
戻ったら電話をもらう
- 「恐れ入りますが、お戻りになりましたらお電話を頂くようにお伝えいただけますでしょうか?」
少しの間だけ席を外している場合などに有効な方法です。この場合は折り返しの番号をしっかりと相手に伝えましょう。
こちらから再度改めることを伝える
相手の手を煩わせたくない場合や、自分がこの後電話ができない状況になる場合に有効です。
また、もともと電話をする約束になっていた場合に、しっかりと電話をした事実を伝えられるというメリットもあります。
用件について分かるか聞いてみる
- 「もしお分かりになればで結構ですが、〇〇の件についてお伺いしてもよろしいでしょうか?」
簡単な用件であれば、電話に出た相手に聞いてみるのも1つの方法です。ただ相手が返答に窮していた場合には「またこちらから改めますので結構です、失礼いたしました」と話を切り上げるのが良いでしょう。
4.用件を話す
- 「お世話になっております。〇〇株式会社の△△と申します。早速ですが××の件でございますが・・・」
担当者に繋がった場合には、改めてあいさつを行いましょう。
- 「お世話になっております」
- 「先日はどうもありがとうございました」
など。電話をかけるということは、相手に時間を使ってもらっているという意識を忘れず、用件はシンプルかつ簡潔に伝えるように心がけましょう。
用件が複数ある場合には、そのことを事前に伝える
用件が複数ある場合には事前にそのことを伝えるのが親切です。
- 「お伝えしたいことが3点ありまして、まず1つ目ですが…」
何件あるか分からない用件を立て続けに伝えられるよりは、あらかじめ分かっていたほうが、相手も話を理解しやすくなります。
5.終わりのあいさつをする
- 「本日はお忙しいところありがとうございました」
- 「当日はどうぞよろしくお願いします」
- 「今後ともよろしくお願いいたします」
電話に対応してくれたことに対する感謝の気持ちを込めて、しっかりと終わりのあいさつを行いましょう。
電話の切り方
電話をかけた側から電話を切るのがマナーなので、終わりのあいさつを終えたあと2~3秒ほどたってから「終話ボタン」を押して切電しましょう。決して受話器を「ガチャ」と置いて切らないように注意です。
さいごに
今回は電話のかけ方の基本(マナー、手順)についてお伝えしました。
電話に慣れていないうちは緊張することが多いですが、基本的なマナーを理解していると自信を持って電話をかけられると思います。
電話対応は「慣れる」ことも大切なので、新人のうちはどんどん電話を取る、かけるを繰り返していろいろなパターンに慣れると自信がつきますよ♪