目上の人に対しての「えらいですね」。
どこか失礼で、上から目線な印象さえ与えてしまう言葉です。
今回は、目上の人の行為について「えらい」と感じた場合に、どんな言い方があるのかを考えてみることにしました。
目上の人に「えらいですね」は失礼?言い換え方をご紹介
そもそも「えらい」とは、
- ①「行為」「振る舞い」「行動」が立派であること
- ②経歴や才能が優れていること
とされています。普段の会話の中で「えらい」と相手に伝える場合は、「①」の状況で使うことが多いと思います。
「えらい」という褒め言葉は、対等な立場や目下の相手に対して使用する分には、特段問題はないのですが、
目上の人に対して「えらい」を使うには失礼で上から目線な印象を与えてしまいます。
「わたしには、あなたの行動をえらいと認められるだけの能力がある」と言わんばかりの印象さえあります。
たとえ「ですね」をつけて敬意を示したとしても、上から目線な印象は払拭されません。
目上の人に「えらい」ということを伝えるためには、どのような言葉に言い換えるのが良いのでしょうか。数種類の言い換え方について考えてみます。
すごいですね・・・★★
「えらいですね」より失礼な印象はありませんが、本来伝えたいこととかけ離れています。
- 上司「オレは毎朝散歩しながら、ゴミ拾いをしてるんだよ」
- 「すごいですね」
感心しました・・・★★
「感心する」という言葉には失礼さは感じられないまでも、どこか上から目線な印象が残ります。「感心感心」というように、傍目から物事を見ている印象もあります。
- 上司「オレは毎朝散歩しながら、ゴミ拾いをしてるんだよ」
- 「感心します」
さすがですね・・・★★
もともと相手にある一定の能力があると予め分かっていたうえで、その能力が成せる業であると改めて伝えるような、そんな言葉です。やや突き放した印象もあるかもしれません。
- 上司「オレは毎朝散歩しながら、ゴミ拾いをしてるんだよ」
- 「さすがですね」
立派ですね・・・★
遠い親戚のおばちゃんが訪ねてきて、
「あらま〜ご立派になったわねぇ〜」
と言われたことのある人もいるかもしれません。どうしても上から目線な印象が拭いきれない言葉です。目上の人に対しての使用は控えましょう。
- 上司「オレは毎朝散歩しながら、ゴミ拾いをしてるんだよ」
- 「立派ですね」
私には到底できません・・・★★★
自分にはできないことを伝えて相手を立たせるというパターン。相手の自尊心を少しくすぐらせるという点では使えるフレーズです。
- 上司「オレは毎朝散歩しながら、ゴミ拾いをしてるんだよ」
- 「私には到底できません」
素晴らしいですね・・・★
これもまた、上から目線な印象です。「素晴らしい」を使うなら「素晴らしいことだと思います」と言い換えた方が良いでしょう。
- 上司「オレは毎朝散歩しながら、ゴミ拾いをしてるんだよ」
- 「素晴らしいことだと思います」
尊敬します・・・★★★
失礼のない無難な言い方です。上から目線な印象もなく、相手の行いを率直に良いことであると認めていて、尊敬すべきことであると示す表現です。言われて嫌な気分にはならないでしょう。
ただし、「尊敬に値しますね」などと上から目線な言い方をしてしまうと本末転倒です。
- 上司「オレは毎朝散歩しながら、ゴミ拾いをしてるんだよ」
- 「尊敬します」
見習いたいです・・・★★★★
相手の行為を良きものと受け入れつつ自分を下げることで、相手を最大限に褒め称える効果があります。
- 上司「オレは毎朝散歩しながら、ゴミ拾いをしてるんだよ」
- 「見習いたいです」
オウム返しで返答する(番外編)
相手の話に対し、「えらい」ということを伝えたいが言葉が浮かばない時には、相手の話をオウム返しにするのも良いでしょう。相手はただ話を聞き入れてほしいと思っているだけで、特に褒めてもらいたいと思っていないことも多々あります。
- 上司「オレは毎朝散歩しながら、ゴミ拾いをしてるんだよ」
- 「毎朝ゴミ拾いですか!?」
さいごに
今回は目上の人に対する「えらいですね」の言い換え方についてご紹介しました。
日々の仕事や生活の中で生かしていただければ幸いです。