コールセンターやビジネス上では、相手にとって都合の悪い条件や、不利になる条件を伝え説得する必要に迫られる場面があります。
コールセンターの場合、クレーム対応にあたっての最終的な結論がこれに該当します。どんな要求も「できないものはできない」と伝えなければならない場面などがそうですね。
相手が激怒することが事前に分かっているような事柄でも、そのことを相手に伝えなければならないという場面もあります。
そんな場面を迎えた時に、なるべくこちらの要望をスムースに相手に受け入れてもらえるテクニックをご紹介。
この記事を読んでほしい人
- ある程度の決断力を持つ立場にいる
- なるべく事を荒立てたくない
- 伝えにくいことをうまく伝える方法を知りたい
伝えにくいことを相手にうまく伝える方法について
コールセンターでのクレーム対応、ビジネス上での重要な決断では、結論から先に伝えるのはNG。
そんなことをすれば、相手は自分が不利になる事柄に対し、すぐに不快感にとらわれ、もはやこれから何を聞いても不快感からくる反応以外は示さなくなってしまいます。
一度不快感感じると、いくら説得をしようが不快感はさらに募るばかりで、交渉や決断どころではなくなってしまいます。
こうなってしまってはもはや打つ手はありません。出だしを間違えてしまうと挽回するのは非常に困難です。
POINT!結論から先に伝えるのはNG
ではどうすれば良いか。
こういった場合には、重要な事柄を伝える前に、相手がとらわれるであろう感情(不快感、怒り)を先読みし、相手がその感情にとらわれないような状況を事前に作り出すというテクニックが有効です。
POINT!感情を先読みする
では具体的な方法をお伝えします。
さて世間話も一通り終わり、重要な事柄を伝える前に、相手にこのように伝えます。
- 今からお伝えする話は、当然お怒りになることを覚悟のうえでお伝えするのですが…
- 不快に思われるのは承知のうえでのお話なのですが…
このように、本題を切り出す前に相手の感情を先読みした一言付け加えるだけです。こうすることで相手は、
「相手が理解しているという感情を、言われた通りに抱くのはなんとも恥ずかしいし、みっともない」
という感情が生まれ、本来起こるべく感情とは正反対の感情が生まれることがあります。その結果、相手は冷静になり、こちらの要望や決断を聞き入れてもらいやすくなる状況が生まれ、交渉がスムースになるというわけです。
伝えにくいことをうまく伝えるには「相手の感情」を先読みしよう
「不快に思われるのは承知で」と相手の感情を先読みすることによって、相手は「その通りになるもんか」と、ある一種の防衛反応が働きます。
「あなたの言いなりになるほど狭量ではない」というプライドも相まって、自分に不利な条件を提示されたとしても、簡単に感情に左右されなくなります。
伝えにくいことを伝えるときの前置きの言葉一覧
では、本題に入る前の前置きの言葉としては、どのような種類の言葉があるのでしょうか。用途にあわせて使い分ける必要がありますが、代表的な7つの前置きの言葉についてご紹介します。
- 大変失礼かとは存じますが…
- 大変申し上げにくいことではございますが…
- お怒りになるのは承知のうえでお伝えいたしますが…
- ご不快に思われるかもしれませんが…
- 大変恐縮ではございますが…
- 大変ご面倒ではございますが…
- お手数をおかけして申し訳ございませんが…
その他にも様々なバリエーションの前置きの言葉があるので、ご自身でしっくりくるようなものを2~3つ覚えておくといいかもしれません。
まとめ
相手が抱く感情を先読みし、その感情を理解していることを伝えたうえで、こちらが本題を切り出すことによって、相手は「先方が理解している感情をそのまんま大人気なく抱いてたまるか」と冷静になってくれます。
僕自身、このテクニックをコールセンターのクレーム対応時に使用していましたが、非常に効果がありました。
コールセンターやビジネス上だけではなく、伝えにくいことを相手に伝えなければならない場面では、是非この方法を試してみてください。