ビジネス上において電話対応力は必須のスキルです。電話を受ける時だけではなく、かける時も相手側に失礼のないようスマートにこなしたいものです。
今回は電話対応の基本について、シーン別のフレーズをまじえて解説したいと思います。
電話対応の基本が分かる!いろいろなシーン別のフレーズもご紹介
電話対応では基本的なフレーズをしっかり覚えておくと、あらゆるシーンで応用が効くようになります。なお、今回は電話の基本を分かりやすくシンプルに説明していますが、より詳しく知りたい方は各項目にある関連ページも参照してみてください。
電話に出る時の基本フレーズ
- お電話ありがとうございます。〇〇商事、木村でございます。
電話に出る時は、一言目に「お電話ありがとうございます」と挨拶をしましょう。その後、自社名と自身の名前を名乗ります。
挨拶も名乗りもない電話対応では、相手に対する印象が良くありません。
- はい、〇〇商事です・・・。
電話は3コール以内で取る
基本的には3コール以内で電話を取ります。1コールで取れればなお良いでしょう。
3コール以上鳴った場合は、
「お待たせいたしました」と伝え、それ以上に待たせた場合は、
- 「大変お待たせいたしました」
とお詫びの言葉を伝えます。
クッション言葉を使用する
何かを相手に頼む時、断る時などに、
「〜してください」「できません」
とストレートに表現すると角が立ってしまうものです。そんな時には「クッション言葉」+「依頼系」で表現するのが電話対応を円滑に進める基本です。
- 「お手数ですが、必要事項をご記入頂き、郵便ポストにこ投函いただけますでしょうか?」
この「お手数ですが」という言葉がクッション言葉です。ワンクッション置くことで、頼み事をする際に良い印象となります。
良く使うクッション言葉一覧
- お手数ですが
- 申し訳ございませんが
- ご面倒ですが
- ご足労をおかけいたしますが
- 失礼ですが
相手の名前を聞く時
自身の名前を名乗らず「電話を取り次いでほしい」と言われることがあります。相手の名前も確認せずに取り次ぐことはできません。
名前を聞くときにはクッション言葉を使用して、
- 「恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
と伝えます。「どちら様ですか?」という言葉は失礼になるので控えましょう。
電話を保留にするときの基本
分からないことを聞かれた時や、担当者に取り次ぐ場合には「保留」ボタンを押して相手に待ってもらいましょう。その際には、
「確認しますので、少々お待ちください」
と保留にする理由を伝えます。ただ単に「お待ちください」とだけ伝えるのは些かぶっきらぼうな印象です。
また、保留後には「(大変)お待たせいたしました」と伝えるようにしましょう。
折り返しの基本
電話を折り返すときには、
- 折り返しの電話番号の確認
- いつまでに折り返すか
の2点を確認します。折り返しの番号はしっかりと口頭で読み上げるのが基本です。また、折り返しの電話をいつまでにするのか伝えるのが親切です。
- 確認でき次第折り返しますが、本日中に進捗状況をお伝えいたします
電話対応での「断り方」の基本
相手側から無理難題を押し付けられたとしても、
- 無理です
- それはできません
と真っ向から拒否するのはNGです。しっかりとお客様の主張を聞いたうえで、クッション言葉を使用して断ります。
- 申し訳ございませんが、そのようなサービスは致しかねます。
また、代替案があれば積極的にお伝えするのも良い電話対応の基本です。
- そのようなサービスは致しかねますが、代わりに〇〇でしたら可能ですが、いかがでしょうか。
電話を取り次ぐ時の基本
「〇〇さんいますか?」という電話に対して、「はい、おります。お待ちください」と返答するのはNGです。
この「はい、おります」というが少し厄介で、
「在籍している」ということと「いま社内にいること」が相手側に暗に伝わってしまうことになります。
オフィスへかかってくる電話には、迷惑なセールスの電話なども少なからずあるので、担当者に取り次ぐ際には、
- 「確認しますので、少々お待ちください」
と伝え、名指し人にどのように対応するかを確認するのが無難です。
電話を変わる時
電話を変わる時にも基本フレーズがあります。取次後、すぐに電話を変わる時には、
- 「お電話変わりました。〇〇でございます」
と伝えます。取次に時間がかかってしまった場合には、
- 「お待たせいたしました。〇〇でございます」
とお詫びの言葉を添えましょう。
電話で話を聞くときの相槌の基本
「えぇ」「うんうん」「はいはいはい」
というフランクな相槌では相手に対する敬意が感じられません。効果的な相槌や同調の言葉は多くありますが、まずはシンプルに、
- 「はい」
- 「さようでございますか」
上記2つの相槌を使用するよう意識しましょう。
相手の声が聞き取れないとき
相手の言葉が良く聞こえなかったときに、
- え?
- はい?
- もっと大きな声で話してもらえますか?
と返しては不躾です。クッション言葉を用いて、
- 恐れ入りますが、もう一度お伺いしてもよろしいですか?
と返すのが声が聞こえなかったときの適切な聞き直し方です。
数字やアルファベットは確実に伝える
電話上で数字やアルファベットなどを伝える時、文字が見えないので「声」だけで伝えなければなりません。
「正しく言った」ではなく「正しく伝わった」ことが重要です。
相手側に正しく伝わるように、話すスピードを緩めたり、繰り返し伝えるなどの工夫が必要です。
相手の話すスピードに合わせて話す
電話対応では、相手の話すスピードに合わせてこちらの話すスピードを変えることが良い対応であるとされています。
相手がゆっくりと話しているのに、急かすように話してしまったり、逆に相手が急いでいるのに丁寧すぎる対応をすると相手を不快にさせてしまいます。
常に相手の話すスピードを意識しながら対応しましょう。
電話対応で良く使う挨拶の言葉
電話の始まりから終わりまで、適宜適切な挨拶を使用することで、印象の良い電話対応になります。
始まりの挨拶
- お電話ありがとうございます
- お待たせいたしました
- お世話になっております
相手に何かをしてもらった時
- ありがとうございます
- 恐れ入ります
- 感謝申し上げます
お詫びする時
- 大変申し訳ございません
- 失礼いたしました
相手を待たせる時
- 少々お待ちいただけますか?
- 確認しますので、少々お待ちください
電話を終える時
- お電話ありがとうございました
- お忙しい中、お電話いただきありがとうございます
- 大変な時にお電話ありがとうございました
電話対応での正しい姿勢
電話対応では、足を組んだり、猫背になったりふんぞりかえって話すことはNG。このような態度は声に表れてしまい、良い印象を与えません。
姿勢を正すことで、真摯に相手と向き合う姿勢となり、声も通るようになります。
間違い電話をかけてしまったとき
電話番号を押し間違えてしまったり、登録されていた電話番号がはじめから間違っていたために、全く別の人に電話をかけてしまうことがあります。
その場合「〇〇様でしょうか?」と尋ね「違います」と返答された場合には、
「大変失礼しました、間違えてかけてしまいました。失礼します」
と伝え電話を切りましょう。
- 〇〇様がこの番号を書いていたものですから
- 〇〇様の携帯の番号が変わられたんでしょうか?
と言い訳がましく弁解しているシーンを見かけたことがありますが、相手にとっては大きな迷惑なので、やめましょう。
電話の切り方の基本
電話が終わった後は、基本的に相手方が電話切ったことを確認したうえで、こちらも電話を切ります。
ただし、こちらから電話をかけた場合には、相手方が取引先などの会社である場合はこちら側から電話を切るのがマナーです。その際、すぐに切るのではなく1〜2秒程の余韻を残してから切るのが良いでしょう。
折り返しの折り返しなど、どちらから電話を切れば良いのか分からない場合にはとりあえず3秒ほど待ってみて、相手が切らないようであればこちらから切ります。
電話を切る時には受話器を「ガチャ」っと置いて切らないように注意します。そっと置いたつもりでも「ガチャガチャ」と聞こえてしまうのが電話です。「終話ボタン」を押して切電するように心がけましょう。
クレーム対応時の基本
「こちらの非を認めたことになるからすぐにお詫びはしない」
という方針の会社もあるようですが、どちらに非があるかどうかにかかわらず、ご不快な思いをさせてしまったことについてまずはお詫びするのがクレーム対応の基本です。
意地になって事実を突き止めようとしても、相手方の怒りに火に油を注ぐことになりかねません。まずはお詫びの姿勢を示し、その上で問題解決をはかりましょう。
担当者が分からない時
なにか先方に確認したいことがあって電話をかける際、担当者名が分からないからと言う理由で一方的に質問するのは、些か無礼な印象を与えます。そんなときに使えるフレーズがいくつかあります。
〇〇の件で確認したいのですが、
- ご担当の方はいらっしゃいますか?
- ご対応いただける方はいらっしゃいますか?
- このままお話続けてもよろしいでしょうか?
このフレーズを使うことで、柔和な印象を与えることができます。
さいごに
今回は電話対応の基本についてお伝えしました。新社会人の方や、お仕事で電話対応をされる方はぜひ参考にしてみて下さい。