取引先やお客様との電話対応で頻繁に使われる「お世話になっております」という挨拶。
今回はなぜ「お世話になっております」という挨拶があるのか、また、その使い方について解説します。
電話対応での「お世話になっております」の使い方、返し方について
仕事上での電話対応は、挨拶から始まると言っても良いくらい挨拶は重要です。
挨拶がなっていないと、無礼な人間だと思われるだけではなく、会社のイメージも悪化します。
そこで相手方に敬意を表するという意味でも「お世話になっております」という挨拶が非常に重要になってきます。
初めて話す相手でも「お世話になっております」を使う?
社会では、人と人が支え合うように、企業と企業が支え合い、協力し合い、時には競争するなどしてあらゆる関係性を持ち、成り立っています。
様々な会社が目に見えないところで関係しているため、馴染みのある取引先だけではなく、初めて電話対応をする会社に対しても「お世話になっております」という挨拶をすることが社会の通例となっています。
電話をかけるとき「お世話になっております」は先に言う?それとも名乗ってから?
お世話になっております。〇〇商事の木村と申します。
わたくし、〇〇商事の木村と申します。お世話になっております。
もしあなたが電話を受けたと仮定した場合、上記のうちどちらの方が印象が良く思いますか?先に挨拶から始まる前者の方が、一般的に相手に与える印象が良いと言われています。
名乗りから始まる方は、名乗った後に相手が何か返答しなくてはならないような状況となり、「お世話になっております」という言葉がかぶってしまう可能性があります。
「こんにちは」という言葉で置き換えてみると分かりますが、通常相手に話しかける時は挨拶から始まるのが通例です。
こんにちは。わたくし木村と申しますが・・・
わたくし木村と申します。こんにちは。
礼に始まり礼に終わると言う言葉もありますが、突然名乗るよりまずは挨拶をすることで、相手との話をスムースに始めることができます。
電話を受けた時の「お世話なっております」を言うタイミングは?
電話を受けた時に「お世話になっております」を言うタイミングは、
- 相手が名乗った後
- 相手が「お世話になっております」と言った後
と覚えておくと良いでしょう。なぜなら相手側は自分の名乗り又は挨拶の言葉を発した後に「挨拶の返し」を待っていることが多くあります。
電話対応に慣れてくると、挨拶をすべき「間」を相手側から示してくれるので、そのタイミングでこちらも挨拶を返しましょう。
「お世話になっております」はお客様にも使う?
取引先との間だけではなく、個人のお客様に対しても、相手方から「お世話になっております」と言われた場合や、名前を名乗られた場合には「お世話になっております」と返答するのが一般的です。
「お世話になっております」の返し方にはどんなものがある?
ただし、相手の第一声次第では、返答を変える必要があります。その場合の例文を見てみましょう。
お客様「お世話になっております。そちらのサービスを利用させてもらっている〇〇と申します・・・」
この場合、「お世話になっております」と返答しても間違いではありませんが、利用していると言う点にフォーカスして、
「〇〇様。いつもご利用いただきましてありがとうございます」
という返答をしても良いでしょう。特段懇意にしている取引先などに対しては、オウム返しにするのではなく、
- いつもお世話になっております
- いつも大変お世話になっております
- 日頃よりお世話になっております
- こちらこそお世話になっております
などと、感謝の気持ちを強調した挨拶でも良いかもしれません。
患者さんへの電話対応で「お世話になっております」はふさわしい?
「お世話になっております」は日頃の感謝を表現する言葉ですが、業種によっては挨拶の言葉としてふさわしくないこともあります。
例えば、病院での患者さんへの電話対応の場合。患者さんから、
「私〇〇です、いつもお世話になっております」
と言われた場合、同調して「お世話になっております」と返すのは些か不謹慎。返答の挨拶としては、
「〇〇様ですね。おはようございます(こんにちは)。いかがなさいましたか?」
と失礼のないように返すのが最も適切な返答です。
「お世話になっております」の省略系は印象が良くない
「お世話になっております」という挨拶は一般的な挨拶の言葉ですが、
- お世話さまです
- お世話になります
という省略した挨拶を聞くことがあります。省略した挨拶を聞いて良い印象を受ける人は多くありません。しっかりとしたフレーズで挨拶をすることがビジネスマナーの基本と心得ましょう。
さいごに
今回は電話対応での「お世話になっております」の使い方についてお伝えしました。是非参考にしてみてください。